研究概要 |
本研究は,現象学,生態心理学,認知科学の比較検討を行ない,「知覚行為」という観点から,相互作用主義的な知覚論の可能性を考察する試みである。そのために,(1)現象学と生態学との関係を考察すべく,19世紀の生物学者であるドリーシュやユクスキュルの主張に対し,ハイデガーが行なった批判的な評価内容を解明すること,(2)生態系における人間の位置づけを確認するために,生態系のうちで動物が棲まうことの意味について進化論の知見を踏まえつつ分析すること,(3)こうした「生命/環境」にかんする基礎概念について,具体的には,「生気論/機械論」「進化」「環世界論」「生態系」などの諸概念について,検討・整理すること,を行ない,その成果を論文等の形で公表した。
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