研究概要 |
単離小腸陰窩1個から分泌されるパネート細胞α-defensinであるHD5およびHD6の定量に世界で初めて成功した.クローン病ではHD5の発現が低下していた.正常のパネート細胞ではProtein disulfide isomerase(PDI)という分子を細胞質内に発現しており,これはdefensinの構造を保つために必要な分子である可能性を示した.パネート細胞分泌物はT84細胞からIL-8,TNF-α,IL-1β,IL-13,RANTES,TGF-β1といったサイトカイン,ケモカインを分泌させた.パネート細胞は自然免疫のみならず獲得免疫にも間接的に関わっている可能性があり,パネート細胞の機能低下が特にクローン病の発症に関与している可能性が示唆された.
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