研究課題/領域番号 |
20651030
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 有正 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60157691)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2009年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 白金 / ナノ粒子 / 活性酸素消去 / フリーラディカル消去 / 電子伝達系I様活性 / 線虫寿命延長 / シグナルペプチド / アクティブターゲティング |
研究概要 |
研究1:nano-Ptによるfree radicalの消去に関する論文は、科学雑誌に発表された。研究3:細胞膜透過性昂進ペプチド(cell penetrating peptide : CPP)のC末端に白金結合ペプチド(platinum binding peptide : PtBP)を連結したfusion proteinを作製し、nano-Ptを抱合した。抱合したnano-Ptで野生型N2を処理した場合、抱合していないnano-Ptと比較して1/100の濃度で、同程度の寿命延長効果を示した。線虫に取り込まれたnano-Ptは、rhodamine-PtBPを使用して蛍光顕微鏡下で観察できた。電顕でのnano-Ptの詳細な細胞内分布は観察できなかった。転写因子DAF-16やSKN-1Cの機能欠損変異体では、nano-Ptによる寿命延長効果は観察されず、nano-Ptが単にROSを消去して寿命を延長していないことが示唆された。1956年にHarmanによって提唱された「Free radical theory of aging」だけでは説明が付かない。電子伝達系複合体I欠損株に関しては、CPPとしてTATを用いたfusion proteinを抱合したnano-Ptで、野生型N2と比較してはるかに大きな寿命延長が観察された。ROSの体内量やnano-PtによるROSの除去効果は野生型と違いが無く、複合体I様活性でNADHをNAD^+に酸化していることが寿命延長に寄与していると考えられる。Mitochondriaへのターゲティングは、まだ上手くいっていない。研究4:CPPとして、線虫ではTATとPep-1が、ヒト肝培養細胞HepG2ではTATとR7が細胞膜透過性昂進に働いた。但し、高濃度にnano-Ptを取り込ませ.ても、急性酸化ストレス耐性は上昇せずかえって低下してしまった。その原因がまだ不明である。
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