研究概要 |
本研究の目的は,低酸素環境における安静時および運動時の呼吸循環応答を明らかにすることであった.実験1;安静状態にて20分間の低酸素ガス吸入前後に血流依存性血管拡張能(flow-mediated vasodilation, FMD)を測定した.低酸素ガス(12%O2)吸入により,有意なFMDの増加が認められ,低酸素環境が血管内皮機能を向上させることが明らかとなった.実験2;運動には自転車エルゴメータを用いた.常酸素(21%O2)または低酸素(12.7%O2)ガスを吸入しながら,最大運動の40%強度および60%強度の運動を実施した.低酸素環境下の運動時血圧応答および筋交感神経活動反応は,常酸素環境のそれとは異なる結果となった.これらの結果から,運動時の血圧調節に動脈血酸素含量が影響する可能性が考えられる.
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