研究概要 |
曲面の写像類群の元である擬アノソフ写像類は,エントロピーという不変量をもつ.種数gのn個の穴あき曲面の最小エントロピーをL(g, n)とおく. g> 1に対してL(g, n)のオーダーはlog(n)/nであることがTsaiによって示されている.これよりnとL(g, n)の積をlog(n)で割った量c(g, n)=n・L(g, n)/log(n)は, nに依存しないある定数で上から押さえられる.本研究では,無限個のgについてc(g, n)は上から2で押さえられることを証明し,小さなエントロピーを持つ擬アノソフの無限個の新しい例を発見した.
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