研究概要 |
哺乳類の雌雄ゲノムには決定的な機能差があり,刷り込み遺伝子と呼ばれる片親性に発現する特殊な発現様式の遺伝子群のうち精子側で制御されているものを父性メチル化刷り込み遺伝子という.これまで3箇所の父性メチル化刷り込みを受ける領域がわかっているが,いずれの領域が個体発生に重要なのか未だ決定されていない.これらについて卵子ゲノムのみの個体発生系として他に例のない研究アプローチである二母性マウス胚作出系を利用して研究を展開し,7番染色体上のH19メチル化調節部位(DMR)と12番染色体上のIG-DMRの2領域に含まれる刷り込み遺伝子の機能を明らかにするとともに,これら遺伝子の適切な発現レベルの維持が正常なマウス個体発生に必須であることを証明した.
|