研究課題/領域番号 |
20790122
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
八巻 耕也 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (00351768)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ETBE / バイオエタノール / 免疫 / T細胞 |
研究概要 |
バイオエタノールから生産されるガソリン添加剤ETBEの免疫応答に与える影響について解析するために、ETBEのアジュバント作用について検討した。抗原である卵白アルブミンおよび0.1、0.3、1および3% ETBEを含む生理食塩水を腹腔内投与した結果、3% ETBEの腹腔内投与はマウスに対して致死的な毒性を示すことが明らかとなった。また抗原投与の21日後に血清中の抗卵白アルブミンIgG量を測定した結果、0.1から1%のETBEはアジュバント作用を示さないことが明らかになった。そこで次に、ETBEの複数回腹腔内投与がアジュバント作用を示すか検討した。抗原および1% ETBEを腹腔内投与し、以後週5日、1% ETBEを腹腔内投与した。その結果、卵白アルブミンのみを腹腔内投与したマウスの血清中の抗卵白アルブミンIgGレベルと比較して、卵白アルブミンを腹腔内投与し、複数回ETBEを腹腔内投与したマウスの血清中の抗卵白アルブミンIgGレベルが上昇することが明らかとなった。このことから、ETBEは持続的な曝露によりアジュバント作用を示す可能性が考えられた。 また、免疫応答と関連が深い肥満細胞の脱顆粒反応に対するETBEの影響についても解析した。その結果、1% ETBEは肥満細胞の脱顆粒反応を抑制した。 これらのことから1% ETBEの生体への曝露は生体機能に影響を及ぼすことが示唆された。1%という濃度は一般的なETBE曝露レベルより低いため、通常生じうるETBEの曝露がヒトの免疫系に影響を与える可能性は低いと思われるが、事故などによる高濃度のETBEの曝露は、免疫応答に影響を及ぼすと考えられる。
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