うつ病の病態と血小板放出因子との接点

• 研究課題/領域番号: 20790851
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 精神神経科学
• 研究機関: 札幌医科大学
• 研究代表者: 渡邊 公彦 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70464493)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2009
• 研究課題ステータス: 完了 (2009年度)
• 配分額: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2009年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2008年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
• キーワード: 脳・神経 / 神経科学 / うつ病 / 血小板 / BDNF / 神経幹細胞 / 神経新生 / オーダーメイド治療

研究概要

脳由来神経栄養因子(BDNF)は末梢血中にも存在し、血清BDNF濃度の変化がうつ病の病態と関連することが知られている。今回、血液では血小板中に大部分のBDNFが貯蔵されていることに着目し、抗うつ薬が末梢血BDNFの濃度変化へ与える影響について解析・検討した。
その結果、抗うつ薬の種類により血小板BDNF遊離量の変化時間や量に差が認められたとともに、同じ抗うつ薬でもBDNF量の反応に個体差を認め、臨床で経験する抗うつ薬効果の個人差について、血小板BDNF遊離変化が関係していると考えられた。今後は末梢、特に血小板BDNFの機能解析を中心とした検討が、うつ病の新たな病態解明につながる可能性が考えられた。

研究成果

• [雑誌論文] Low serum BDNF and food intake regulation: A possible new explanation of the pathophysiology of eating disorders. (2009)
  • 著者名/発表者名: Saito S, Watanabe K, Hashimoto E, Saito T
  • 雑誌名: Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 33(2) ページ: 312-6
  • 査読あり
• [雑誌論文] 気分障害における神経回路網の修復再生と認知機能 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鵜飼渉, 橋本恵理, 石井貴男, 吉永敏弘, 渡邊公彦, 小野貴文, 館農勝, 渡邉一平, 白坂知彦, 齋藤利和
  • 雑誌名: 臨床精神医学 38 ページ: 421-428
• [雑誌論文] Low serum BDNF and food intake regulation : A possible new explanation of the pathophysiology of eating disorders. (2009)
  • 著者名/発表者名: Satoshi Saito
  • 雑誌名: Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 33 ページ: 312-316
  • 査読あり
• [雑誌論文] 気分障害における神経回路網の修復再生と認知機能 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鵜飼渉
  • 雑誌名: 臨床精神医学 38 ページ: 421-428
  • 査読あり
• [雑誌論文] 精神疾患の脳神経回路修復-個別診断と薬物・細胞コンバインド療法の可能性の検討- (2009)
  • 著者名/発表者名: 鵜飼渉
  • 雑誌名: 精神薬療 研究年報 41 ページ: 47-50
• [雑誌論文] Low serum BDNF and food intake regulation : A possible new explanation of the pathophysiology of eating disorders (2009)
  • 著者名/発表者名: Satoshi Saito
  • 雑誌名: Frog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 33 ページ: 312-316
  • 査読あり
• [雑誌論文] 神経新生と病態「向精神薬」 (2008)
  • 著者名/発表者名: 橋本恵理小野貴文渡邊公彦
  • 雑誌名: 臨床神経科学 26巻8号 ページ: 887-889
• [雑誌論文] Epigenetic regulation in alcoholrelated brain damage (2008)
  • 著者名/発表者名: Ishi Takao
  • 雑誌名: 日本アルコール薬物医学会雑誌 43 ページ: 705-713
  • 査読あり
• [雑誌論文] The analysis of impairment and repair of neural network by ethanol : in vitro and in vivo studies using neurons and neural stem cells (2008)
  • 著者名/発表者名: Wataru Ukai
  • 雑誌名: 日本アルコール薬物医学会雑誌 43 ページ: 763-769
  • 査読あり
• [雑誌論文] 神経新生と病態「向精神薬」 (2008)
  • 著者名/発表者名: 橋本恵理
  • 雑誌名: 臨床神経科学 26 ページ: 887-889
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effect of antidepressants
  • 著者名/発表者名: Kimihiko Watanabe, Eri Hashimoto, Wataru Ukai, Takao Ishii, Toshihiro Yoshinaga, Takafumi Ono, Masaru Tateno, Ippei Watanabe, Tomohiro Shirasaka, Satoshi Saito, Toshikazu Saito
  • 雑誌名: on brain-derived neurotrophic factor (BDNF) release from platelets (in press)
  • 査読あり
• [学会発表] うつ病モデルラットにおける末梢血BDNF変化-血小板BDNF遊離の観点から- (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦
  • 学会等名: 第28回 躁うつ病の生物学的研究懇話会
  • 発表場所: 北海道、支笏湖温泉
  • 年月日: 2009-07-10
• [学会発表] うつ病における血小板BDNFの働き (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦、橋本恵理、鵜飼渉、石井貴男、吉永敏弘、小野貴文、館農勝、渡邉一平、白坂知彦、齋藤利和
  • 学会等名: 第52回日本神経化学会
  • 発表場所: 群馬
  • 年月日: 2009-06-22
• [学会発表] 血小板BDNFのうつ病での働き (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦
  • 学会等名: 神経化学会
  • 発表場所: 群馬、伊香保
  • 年月日: 2009-06-22
• [学会発表] うつ病モデルラットにおける末梢血BDNF変化-血小板BDNF遊離の観点から- (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦、鵜飼渉、石井貴男、吉永敏弘、小野貴文、渡邉一平、白坂知彦、館農勝、橋本恵理、齋藤利和
  • 学会等名: 第28回躁うつ病の薬理・生化学的研究懇話会
  • 発表場所: 千歳市
• [学会発表] うつ病治療のオーダーメイド化を目指して一末梢血BDNF量変化について- (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦
  • 学会等名: 第28回日本精神科診断学会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2008-10-11
• [学会発表] Brain-derived neurotrophic factor in platelets is released by antidepress ants (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦
  • 学会等名: The 2nd World Federation of Societies of Biological Psychiatry
  • 発表場所: 富山
  • 年月日: 2008-09-12
• [学会発表] The influence of antidepressants on the neurotrophic factors in platelets (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦
  • 学会等名: The 11th Congress of ASEAN Federation for Psy chiatry and Mental Health
  • 発表場所: Bangkok
  • 年月日: 2008-08-27
• [学会発表] 抗うつ薬による末梢血BDNF量変化に関する検討 (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦
  • 学会等名: 第20回躁うつ病の薬理・生物学的研究懇話会
  • 発表場所: 箱根
  • 年月日: 2008-06-21
• [学会発表] 抗うつ薬による末梢血BDNF量変化に関する検討 (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦、鵜飼渉、石井貴男、吉永敏弘、小野貴文、渡邉一平、白坂知彦、館農勝、橋本恵理、齋藤諭、齋藤利和
  • 学会等名: 第27回躁うつ病の薬理・生化学的研究懇話会
  • 発表場所: 箱根
  • 年月日: 2008-06-20
• [学会発表] うつ病治療のオーダーメイド化を目指して-末梢血BDNF量変化について- (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡邊公彦、鵜飼渉、橋本恵理、石井貴男、吉永敏弘、小野貴文、渡邉一平、白坂知彦、館農勝、齋藤諭、齋藤利和
  • 学会等名: 第28回日本精神科診断学会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] Brain-derived neurotrophic factor in platelets is released by antidepressants. (2008)
  • 著者名/発表者名: Watanabe K, Ukai W, Hashimoto E, Yoshinaga T, Ishii T, Tateno M, Ono T, Watanabe I, Shirasaka T, Saito S, Saito T
  • 学会等名: 2nd WFSBP Asia pacific Congress Sep 11-13 Toyama
  • 発表場所: Japan
• [学会発表] The influence of antidepressants on the neurotrophic factors in platelets. (2008)
  • 著者名/発表者名: Watanabe K, Ukai W, Hashimoto E, Yoshinaga T, Ishii T, Tateno M, Ono T, Watanabe I, Shirasaka T, Saito S, Saito T
  • 学会等名: The 11th Congress of the ASEAN Federation for Psychiatry and Mental Health (AFPMH)
  • 発表場所: Bangkok, Thailand