研究概要 |
本研究の目的は,大型・柔軟宇宙構造物の姿勢を,太陽光圧を積極的に利用して能動的・安定的に制御する手法を確立することである.提案する姿勢制御手法の具体的な適用対象として,宇宙空間で数10m以上の大面積の薄膜を遠心力で展開し,膜面に対する太陽光圧を推進力として利用して宇宙空間を航行するスピン型ソーラーセイルを選定した.本研究では,電気的に光学パラメータを制御し太陽光圧によって姿勢制御トルクを発生可能な軽量薄膜デバイスを開発し,太陽光圧を利用した姿勢制御手法を構築した.さらに,本研究で開発した姿勢制御デバイスを,ソーラーセイル実証探査機「イカロス」に搭載し,2010年度に打ち上げた.2010年度中に惑星間軌道上でのソーラーセイルの姿勢制御実験を行い,本研究成果を宇宙実証する予定である.
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