研究課題/領域番号 |
20H00104
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
筒井 健一郎 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90396466)
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研究分担者 |
北城 圭一 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 教授 (70302601)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
45,630千円 (直接経費: 35,100千円、間接経費: 10,530千円)
2022年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2021年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2020年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | サル / 神経トレーシング / ウイルスベクター / 電気生理学 / 多点電極 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、神経トレーシング、電気生理学的測定、神経回路網解析、映像解析・合成にかかわる技術など、さまざまな革新技術を駆使しながら、サルを被検体とした動物実験を行って、これまでの研究の枠組みを超えた研究を展開し、情動を生み出している神経系の回路構成とそこで行われている情報処理への理解を深めるとともに、社会行動下での感情の機微や行動選択とその背景にある神経過程の間の動的関係性を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
情動や意欲が脳のなかのどのようなメカニズムによって生じているのかを明らかにするため、神経回路トレーシング、神経活動介入、神経活動(局所電場電位)の多点同時録を行った。神経回路トレーシングでは、前頭葉の中で特に内側前頭皮質が扁桃体・側坐核との密な神経結合を有していることが明らかになった。神経活動介入では、とくに、内側前頭皮質の腹側部が、情動や気分の調節に関わっていることが明らかになった。神経活動の多点記録では、運動を修飾する情動や意欲の情報が、内側前頭皮質から、前頭葉外側部の運動関連皮質に送られていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳の中での情動や意欲の生成過程については、これまで不明な点が多かったが、本研究により、扁桃体・側坐核と、内側前頭皮質が重要な役割を担っていることが明らかになった。また、情動や気分が行動に影響を与えるのは、内側前頭皮質と外側の運動関連皮質の機能連関による者と示唆された。本研究の成果は、情動や意欲の神経機構の解明への足がかりとなるばかりでなく、うつ病やその他の精神疾患の病態の理解や治療法の改善・開発につながることが期待される。
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