研究課題/領域番号 |
20H00166
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
山本 昌亘 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (30354749)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
41,080千円 (直接経費: 31,600千円、間接経費: 9,480千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 37,830千円 (直接経費: 29,100千円、間接経費: 8,730千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 陽子シンクロトロン / 高周波加速 |
研究開始時の研究の概要 |
J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器は、陽子を400MeV(光速の71%)から3GeV(光速の97%)まで0.02秒で加速する施設である。現状の性能では最大83兆個の陽子を一度に加速できる世界最高強度の実力を誇るが、本研究で開発を行う加速空胴を使えば一度に加速する陽子の数を倍増できる可能性がある。本研究においてその原理の実証を行う予定である。
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研究成果の概要 |
J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器において、設計値の倍となる2MWビーム出力を達成する加速空胴の設計・製作を行った。従来の常識とされていたプッシュプル励振方式よりもシングルエンド励振方式の加速空胴の方が大強度ビーム加速には有利であることを計算により示し、シングルエンド励振方式のプロトタイプ機の製作を完了した。プロトタイプ機を加速器トンネルにインストールし、現状の最大ビーム出力である1MWによる加速試験を行った。その結果、予想通りプッシュプル励振方式よりも4割低い電力でビームを安定に加速できることが確認された。これにより2MWビームを加速可能なことが実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の学術的意義は、電源、増幅器は既存のものを使用したまま、負荷である加速空胴をシングルエンド励振方式に変更するだけで、設計値の倍である2MWビーム加速が達成可能なことを示したことにある。これは従来プッシュプル励振方式がとされていた高周波加速システムの常識を覆す画期的な成果である。これにより、加速器から物質生命科学や素粒子・原子核実験に供給されるビーム強度を増強することができ、これらの分野における国際的な競争力を高める技術を手にしたことになる。 また社会的意義としては、同じビーム出力を達成するのに4割低い電力で済むことになり、SDGsにも貢献する成果と言える。
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