研究課題/領域番号 |
20H00247
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
斗内 政吉 大阪大学, レーザー科学研究所, 教授 (40207593)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
45,500千円 (直接経費: 35,000千円、間接経費: 10,500千円)
2022年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2021年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2020年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | テラヘルツ波バイオセンシング / 走査型テラヘルツ点光源 / テラヘルツマイクロ流路 / がん細胞観測 / テラヘルツ波バイオイメージング / ナノスケール光テラヘルツ変換 / ナノスケール光テラヘルツ交換 / 癌細胞観測 |
研究開始時の研究の概要 |
テラヘルツ波バイオセンシングは、未開の重要研究分野である。しかし、その応用には、波長限界(波長は約300μm)により高分解能イメージングが制限され、強度不足によりエネルギー密度が低く、高感度・微量検査に弱いという大きな障害がある。本研究では、微小エリアにフェムト秒レーザーを集光し、微細構造の導入と走査型テラヘルツ点光源を構成し、近接場での高密度相互作用を実現することで、その弱点を克服する。局所場における様々な未知なる非線形効果を取り入れ、本質的テラヘルツナノ科学の解明を土台とし、多くの研究者が容易にアプローチできるテラヘルツバイオプラットフォームを構築し、同分野の革新的発展を導くものである
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研究成果の概要 |
THz点光源をメタアトムと結合させ、世界最高感度のTHzマイクロ流路の開発に成功した。また、簡易・高速検査を可能とする反射型チップも開発し、s-DNA・d-DNAなどの差異検出に有効であることを示した。点光源を利用した走査型テラヘルツ点光源(SPoTS)顕微鏡を開発し、固芯レンズを採用するなどし、高分解能化を実現することで、世界で初めて乳管中にある早期乳癌内に存在する壊死細胞のTHzイメージングにも成功した。それらの過程において、メタアトムとTHz点光源との時間領域相互作用から特異な共鳴状態を解明した。さらに、THz-キャピラリー電気泳動オンライン検出法を提案するなど、大きな成果を上げた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
局所場における光テラヘルツ波変換は世界的にも注目を浴び始めている。その中で、メタマテリアルとの相互作用を考慮した局所場変換の科学は未開拓であった。本研究では、メタアトムがTHz波と結合後の時間領域共鳴を明らかにすることで、メタマテリアル結合型THzマイクロ流路チップを開発し、世界最高感度かつ微量センシングを可能とした。また、開発されたSPoTS顕微鏡による非染色早期癌内壊死細胞の観測は癌診断へのブレークスルーをもたらすもので、テラヘルツバイオフォトニクス分野の創成につながることが期待される。
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