研究課題/領域番号 |
20H00263
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角 哲也 京都大学, 防災研究所, 教授 (40311732)
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研究分担者 |
木村 一郎 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (60225026)
山上 路生 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80362458)
宮川 仁 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 主任研究員 (80867127)
高田 翔也 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 研究員 (90866055)
小柴 孝太 京都大学, 防災研究所, 助教 (80883157)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,630千円 (直接経費: 35,100千円、間接経費: 10,530千円)
2022年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2020年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | ダム / 沈木 / 流木 / 放流管 / 閉塞 / ダム堆砂 / 水理模型実験 / 3次元数値解析モデル / 堆砂 / リスクマネジメント |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ダム貯水池内のゲート敷高にまで達した堆砂とその付近の沈木の引き込みにより、洪水調節時のゲート操作が不能となる事故が発生した。これまで、湖面に浮かぶ流木の沈木化や堆砂進行に伴う堆積面の上昇、さらにゲート閉塞メカニズムとの複合的な作用は十分に研究されていない。本研究では、(1)ダム貯水池における沈木動態の解明として、1)現地調査による沈木分布と移動実態の把握、2)水理模型実験による沈木の流動現象の解明、3)流木-沈木動態シミュレータの構築によるゲート閉塞機構の再現、に取り組む。次に、(2)沈木動態と堆砂進行の複合影響を考慮したダムの洪水吐ゲートの機能確保のための管理手法を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では、裾花ダムにおけるゲート閉塞事例を受けて、その主要因の一つである沈木について、貯水池内の動態を明らかにするため、現地調査、水理模型実験、数値解析による研究を行った。特に、沈木の探査手法や網場からの流木沈降による沈木発生プロセス、堆砂面上における沈木動態に関する基礎的知見等を獲得し、同リスク事例の再発防止に向けたリスク管理フロー案を構築した。各ダムは放流設備や堆砂条件等が多種多様であり、今後フローに沿った個別検討が望まれる。さらに、今後さらなる沈木の移動実態に関する調査や、堆砂管理も含めたゲートの持続的機能発揮に向けて、貯水池堆砂および沈木の管理最適化の継続的な検討が望まれる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナローマルチビーム音響測深データを効果的に解析することで、従来把握することのできなかったダム湖に堆積する沈木を面的に把握し、さらに、そのサイズ、堆積方向などの空間分布とダム湖の堆砂形状との関係を明らかにしたことが大きな成果である。その他、上流域から流入する木片が沈木化するプロセスとして、水中での密度変化の基礎情報を整理するとともに、基礎水理実験により沈木が流動開始・停止する過程を再現できたことは、ダム湖内の沈木の堆積・移動プロセスを理解する上で大きな手掛かりとなる。また、3次元流動モデルに沈木を導入することで、貯水池上流から下流への流動軌跡が沈木密度によって大きくことなることも明らかにした。
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