研究課題/領域番号 |
20H00265
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井料 隆雅 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (10362758)
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研究分担者 |
河瀬 理貴 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (00943771)
瀬谷 創 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20584296)
和田 健太郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20706957)
佐津川 功季 金沢大学, 融合科学系, 講師 (40867347)
原 祐輔 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50647683)
浦田 淳司 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70771286)
赤松 隆 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90262964)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
40,170千円 (直接経費: 30,900千円、間接経費: 9,270千円)
2023年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2022年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | Mobility as a Service / Connected Vehicle / 次世代交通システム / インフラストラクチャ設計 / 制度設計 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,特に民間のイノベーションを原動力として,ライドシェアやMaaS (Mobility-as-a-Service)といった新しいサービスが急速に普及している.このことは自家用車主体の既存の交通体系では困難な,CV (Connected Vehicle)等の新技術の活用による高度な交通制御の可能性を高めている.本研究ではこのような「次世代交通システム」の性能を,民間のイノベーションを活用しつつ最大化させるような道路インフラとMaaSや交通制御のための制度を公共セクターが効果的に整備するための理論的な方法論を構築する.
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研究実績の概要 |
本研究では,次世代交通システムの構成要素である「利用主体」「MaaS(Mobility as a Service)」「輸送主体」「CV(Connected Vehicle)による交通制御+道路インフラ」の特性を記述する数理モデルを構築し,これらの特性を数学的手法および数値計算によって解析し,さらに実データによって検証する.今年度(2021年度)は4年間の研究機関の2年目であり,1年目に着手した数理モデルの構築と解析と需要モデルの構築を継続して行った.さらに今年度は,昨年度には別々に分析したMaaSとCVを前提とした優先制御の2つを融合して分析することに着手した.優先制御としては昨年度大規模ネットワークに対して行ったP0と呼ばれる既存の適応型信号制御手法に対して優先制御を実装したものを用いている.この優先制御では,モビリティサービスに供される車両のうち,特に(バスのように)複数の旅客が乗車している車両を優先するようにP0の手法を改良している.簡単な2経路ネットワークと比較的小規模なネットワークに対する効果をミクロ交通流シミュレーションによって評価し,一定の性能が出ることを確認している.これとは別に,P0を拡張して需要が変動する環境などより一般的な状況における交通制御手法の理論の開発に着手するなど,CVを想定した交通制御手法の理論そのものについても研究を継続して展開している.需要モデルについては,昨年度開発を着手したCell transmission modelと組み合わせた方法の構築に着手している.これを用いて,モビリティサービスに特有の問題である需要偏在環境における回送交通の発生状況を需要の時間変動を考慮して分析し,それによるより長期的な制御に関する提案も行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MaaSとCVの融合について着手できており,研究の目標達成のための準備ができつつある状況である.需要モデルとの統合についても進捗している.これらのことにより研究は概ね順調に進捗していると判断している.一方,昨年度も課題であった進化ゲームの理論モデルによる取り扱いについては進捗がやや遅い状況である.このテーマは国際共同研究による推進する計画であったが新型コロナによる国際交流の制限を受けている.一方で交通制御手法についての国際共同研究はオンラインによる研究打ち合わせにより着手ができており,進化ゲーム理論モデルも含めた国際共同研究によるものも今後は推進できるものと考えいる.
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今後の研究の推進方策 |
基本的には計画通り推進する予定である.モビリティサービスについては研究に伴う文献調査において多数の既存研究がある一方で,乗り合いを前提にしたサービス(Dial-a-rideなどと呼ばれる)については比較的少なく,かつ,インフラストラクチャ設計において重要な点が多いことが判明している.これについては研究計画にすでに含まれているが,今後は特にこの点について重点を置いた研究を行う.また,国際交流が可能となり国際共同研究を推進しやすい状況となっており,海外共同研究者との研究や情報収集を積極的に進める.
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