研究課題/領域番号 |
20H00379
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
山田 容子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (20372724)
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研究分担者 |
林 宏暢 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (00736936)
松尾 恭平 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (00778904)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
46,020千円 (直接経費: 35,400千円、間接経費: 10,620千円)
2022年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2021年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2020年度: 24,180千円 (直接経費: 18,600千円、間接経費: 5,580千円)
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キーワード | 前駆体 / アセン / ポルフィリン / 光反応 / 結晶構造 / FET / 走査型トンネル顕微鏡 / 有機半導体 / シクラセン / 前駆体法 / 薄膜構造制御 / 基板表面支援合成 |
研究開始時の研究の概要 |
π共役拡張芳香族化合物の合成法の確立と電子構造の解明、結晶構造制御は、ナノカーボン材料から低分子有機半導体まで、幅広い芳香族化合物の基礎学理の深化と有機エレクトロニクスの発展において極めて重要である。我々オリジナルの前駆体法は、難溶または不安定なπ共役拡張芳香族化合物を、溶媒に可溶な前駆体として合成・精製し、最終段階で光・熱などの外部刺激により定量的に目的生成物へと変換する手法である。本研究ではこの前駆体法を最大限に活用し、合成法の開発と結晶構造制御の2つの側面からπ共役拡張芳香族化合物の化学に貢献する。
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研究成果の概要 |
本申請課題では“前駆体法”を軸に、従来法では合成が難しいπ共役拡張芳香族化合物の合成と電子構造の解明、結晶構造制御を推進し、有機エレクトロニクス分野に貢献することを目的とした。その結果、基板表面における前駆体の反応性に関する知見を得るとともに、ウンデカセンやテトラアザウンデカセンの合成に成功した。また新規有機エレクトロニクス材料として、アザシクラセン前駆体やアセンオリゴマーの合成法の開発や新規ポルフィリン骨格合成法の開発に成功した。さらに、熱的に安定な5,15-置換ベンゾポルフィリンを合成し、簡便な溶液プロセスで成膜した薄膜の構造を解析し、置換基構造と熱安定性の相関についても検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
走査型トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡の進歩と時を同じくした、溶媒に難溶で不安定なπ共役拡張芳香族化合物の合成法が確立は、これまで理論的な予測にとどまっていた芳香族化合物の電子構造を明らかにするなど、学術的に極めて重要な意味を持つ。また優れた低分子有機半導体材料はまだ限定的である現状において、新しい骨格を有する材料と簡便な薄膜構造制御プロセスの開発、高い電荷移動度の達成は、これら化合物の有機エレクトロニクス材料としての有用性を著しく高めるものである。
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