研究課題/領域番号 |
20H00491
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金子 周司 京都大学, 医学研究科, 研究員 (60177516)
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研究分担者 |
永安 一樹 京都大学, 薬学研究科, 助教 (00717902)
浅井 聰 日本大学, 医学部, 教授 (80231108)
浅岡 希美 京都大学, 医学研究科, 助教 (90826091)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
45,110千円 (直接経費: 34,700千円、間接経費: 10,410千円)
2022年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2021年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2020年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
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キーワード | リアルワールドデータ / レセプト / ビッグデータ / 電子カルテ / 薬理学 / 創薬 / 臨床検査値 / 臨床予測性 / 有害事象 / ドラッグリポジショニング / AI創薬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、有害事象セルフレポート、レセプト記録、電子カルテの遡及的解析から特定の医薬品由来の有害事象を低減する併用薬を発見するドラッグリポジショニングを手がかりとして、有害事象の低減に関与する生体分子の同定を行い、類似症状を呈する自然発症疾患の新しい治療標的への応用を探る。すでに予備検討で有望な併用薬を見出している3テーマについて、データ解析による因果関係の検討、動物やヒト細胞を用いた実証実験、遺伝子発現解析やパスウェイ解析を行い、発症と薬物の作用メカニズムを明らかにする。本研究は実臨床記録の統計解析と薬理実証実験を組み合わせ、世界に類を見ない「臨床エビデンスに基づく創薬」を実現する。
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研究成果の概要 |
臨床データ解析から有害事象を低減する併用薬を発見する手法を用いて、有害事象と類似症状を呈する自然発症疾患の新しい治療標的への応用を探った。対象として①オランザピンによる脂質異常症、②アミオダロンによる間質性肺炎、③プラミペキソールによる強迫性障害OCDをとりあげ、①についてはビタミンD併用の有用性と標的として骨格筋INSIG2を見いだした。②についてはダビガトランに肺線維化抑制作用を発見し、血小板由来増殖因子α受容体を介する治療パスウェイを見いだした。③についてはプロトンポンプ阻害薬の有用性を発見し、ATP4A阻害による外側眼窩前頭皮質神経細胞内のpH低下によるOCD抑制機序を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では国内外で公開されている大規模診療記録や有害事象に関連するビッグデータに着目し、統計学的手法を用いてそれらを解析・有効活用するとともに実証実験を行い、有害事象と類似した自然発症疾患の分子機序の解明や治療薬の開発を目指した。従来にはない研究戦略と実証的薬理学を組み合わせた計画が綿密に構築されており、有害事象を軽減する戦略や新規治療薬の創出に繋がると期待できる。また新しい創薬の方法論を創成できる可能性も高い。
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