研究課題/領域番号 |
20H00513
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮園 浩平 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 卓越教授 (90209908)
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研究分担者 |
宮澤 恵二 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40209896)
KA 井上 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90302877)
赤木 蓉子 (勝野蓉子) 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (70771004)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2021年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2020年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
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キーワード | 浸潤・転移 / シグナル伝達 / 分子イメージング / がん微小環境 / 実験動物モデル |
研究開始時の研究の概要 |
がん転移は複数の複雑なステップを経て成立することから、その分子機構の解明はがん転移を理解する上で極めて重要である。本研究課題では、がんの転移に密接に関わることが近年明らかとなってきた上皮間葉移行(EMT)という現象の役割について解析し、分子・ゲノムから個体のレベルまでがん転移との関連を明らかにする。また我々が発展させてきた動物の身体を透明化するという技術を応用して、個体・臓器のレベルから1個の細胞のレベルまでがん転移機構を新たな視点から明らかにする。
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研究実績の概要 |
1)TGF-βおよびEMTのがん転移における役割:ヒト膵がん細胞株PANC-1からゲノム編集により作製したSMAD4-KO細胞とSmad4再導入細胞株を用いて細胞機能を解析した。SMAD4-KO細胞ではTGF-βによる細胞増殖抑制、上皮細胞マーカーの発現抑制が低下したが、細胞運動性亢進作用には影響がなかった。また、足場非依存性増殖能とヌードマウスに皮下移植した際の腫瘍形成能にも有意な影響はなかった。一方、PANC-1細胞の親株では無刺激状態でもTGF-βファミリー因子のシグナル経路が強く活性化していることを見いだした。当該因子の受容体キナーゼ阻害剤を添加すると細胞増殖や運動能が抑制されたが、SMAD4-KO細胞でも同様の効果があったことから、Smad4非依存的ながん悪性化経路が存在するという興味深い結果を得た。また、口腔扁平上皮がん細胞の増殖と運動能のTGF-βによる制御機構を明らかにするためにシングルセルRNAシーケンシングを施行して、TGF-βにより誘導されるEMTには従来報告されていたSlug転写因子を介するものに加えて、細胞周期がG1期に停止した細胞が関与する新たな経路が存在することを見出した。TGF-βによりG1期の細胞において発現が上昇する因子としてKRTAP2-3を同定し、KRTAP2-3がこの新たなEMT経路を誘導することを明らかにした。 2)透明化技術を応用したがん転移の分子機構:マウスメラノーマ細胞を用いたがん肺転移モデルを用いた研究で、がん細胞は移植後10日目で有意にリンパ管と接近することを見出した。一方、組織透明化後にリンパ管の形態の数理解析を行ったところ、移植後4日目に形態変化が起こっていることが明らかとなったことから、がん細胞がこの時期にリンパ管に何らかの効果を及ぼしているという興味深い結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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