研究課題/領域番号 |
20H00531
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
嶋 緑倫 奈良県立医科大学, 医学部, 副学長 (30162663)
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研究分担者 |
堀江 恭二 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30333446)
辰巳 公平 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70555432)
坂田 飛鳥 奈良県立医科大学, 医学部, 助教(共同研究講座) (90528457)
小田 朗永 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80547703)
荻原 建一 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50623500)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
36,270千円 (直接経費: 27,900千円、間接経費: 8,370千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2021年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2020年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
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キーワード | 血友病A / 細胞治療 / 凝固第VIII因子 / 肝類洞内皮細胞 / iPS細胞 / 間葉系幹細胞 / 血管内皮前駆細胞 / 細胞シート / 第VIII因子 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
血友病の治療は、凝固因子製剤による生涯にわたる補充療法が中心である。我々はこれまでに、血友病Aの欠損タンパクである凝固第VIII因子の機能の本態を、bispecific抗体を用いて世界で初めて明らかにした。また、患者由来細胞を体外で遺伝子改変した上で再度移植する自己細胞治療の有効性を血友病Aマウスモデルで証明した。本申請では、1)第VIII因子産生機構の解明、2)高効率に第VIII因子を分泌する同種iPS細胞による移植用細胞の作製、3)細胞を高効率に長期的かつ安全に生体内に生着させる手法の確立により、すべての血友病A患者をcureできるユニバーサルな同種他家血友病A細胞療法の実現をめざす。
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研究成果の概要 |
本研究では、血友病A根治療法としての同種細胞療法の確立を目指し、1)幹細胞からの第VIII因子産生細胞の作製、2)効率的な細胞生着を可能とする移植法の開発(細胞シート等)、についての検討を実施した。 1)ヒト間葉系幹細胞およびヒトiPS細胞から第VIII因子産生能を有する肝類洞内皮様細胞を分化誘導法する手法の確立に成功した。 2)ヒトiPS細胞から分化誘導した血管内皮前駆細胞をシート化して免疫不全マウス肝表面に移植した。結果、移植細胞がマウス肝組織に機能的に生着し、その一部はLYVE1陽性細胞であり、移植した血管内皮前駆細胞がFVIII産生責任細胞である肝類洞内皮細胞へ分化した可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血友病Aの現在の標準治療は、第VIII因子製剤もしくは第VIII因子を模倣した抗体医薬による補充療法が主である。しかし、一生涯に渡る投与を要するため、患者QoLの低下と年間一千億円を超える莫大な医療費が問題となっている。現在、根治治療法として遺伝子治療の臨床試験が進められているが、治療1年後以降に効果が減弱する傾向があり、現時点でその原因は明らかでない。一方で、細胞治療は遺伝子治療に続く次世代治療法として位置付けられており、遺伝子治療に起因する諸問題を解決することが期待できる。本研究の一連の成果は、血友病A根治療法としての細胞治療の実現化に向けた重要な基盤となる成果であると考えられる。
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