研究課題/領域番号 |
20H00570
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
長岡 利 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50202221)
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研究分担者 |
松井 利郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (20238942)
上野 義仁 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (20250467)
本多 裕之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70209328)
清水 雅仁 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90402198)
出田 貴康 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90610379)
伊藤 弘康 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80373075)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
46,020千円 (直接経費: 35,400千円、間接経費: 10,620千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 26,520千円 (直接経費: 20,400千円、間接経費: 6,120千円)
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キーワード | ペプチド / IIAEK / コレステロール / FP / アルカリフォスファターゼ / アルカリホスファターゼ / ラクトスタチン / PPARα / AlphaFold2 / ソイスタチン |
研究開始時の研究の概要 |
(1)世界初のコレステロール(CHOL)代謝改善ペプチド(ラクトスタチン:IIAEK)のCHOL代謝改善作用は、ラクトスタチン受容体(LR:仮説)の媒介する新規CHOL代謝調節系が関与する。この新規CHOL代謝調節系を解明する。(2)世界初のCHOL代謝改善ジペプチドFPのCHOL代謝改善作用について、腸ペプチド輸送担体が関与する新規CHOL吸収調節系を解明する。(3)世界初の大豆由来CHOL吸収抑制ペプチド(ソイスタチン:VAWWMY)などの作用機構を解明する。(4)脂質代謝改善作用を発揮する大豆β-コングリシニン(大豆β)摂取時に、血中に出現する未知の大豆β由来ペプチドを特定し、新規脂質代謝改善ペプチドを発見する。
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研究実績の概要 |
[研究目的・方法] (実験1) 生体内基質であるピリドキサールリン酸とIAP(腸アルカリホスファターゼ)の相互作用及びIIAEKとIAPの相互作用をBiacoreで比較解析する。(実験2) IIAEKを野生型マウスとIAP欠損マウスに摂取させて、IIAEKのコレステロール代謝改善作用とIAPの関連性を証明する。(実験3)門脈血中に検出された濃度のFPを、ヒト肝臓細胞HepG2に添加した場合に起こる、FPによるコレステロール代謝改善作用の発現機構を解析する。(実験4) AlphaFold2により、IIAEKとIAPのドッキングシミュレーション解析を実施する。(実験5) AlphaFold2により、FPとコレステロール代謝関連転写因子(PPARα)のドッキングシミュレーション解析を実施する。 [結果](実験1)IIAEKは生体内基質であるピリドキサールリン酸よりも強力に、IAPと分子間相互作用することを発見した。(実験2)大変興味深いことに、IAP欠損マウスでは、IIAEKのコレステロール代謝改善作用は完全に消失した。(実験3)門脈血中に検出された濃度のFPをヒト肝臓細胞HepG2に添加し、FPによる脂質代謝改善作用の作用機構を解析した結果、FPはコレステロール分解系律速酵素(CYP7A1)やPPARαのmRNAを有意に増加させた。(実験4) AlphaFold2により、IIAEKとIAPは、特異的分子間相互作用することを発見した。(実験5) AlphaFold2により、FPとコレステロール代謝関連転写因子(PPARα)は、特異的分子間相互作用することを発見した。FPは核内転写因子PPARαのリガンドである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画以上に進展した理由は下記の3点である。(1)BiacoreやAlphaFold 2による分子レベルでの解析結果から、IIAEKとIAP(腸アルカリホスファターゼ)との特異的分子間相互作用が明らかにされた点。(2)IAP欠損マウスでは、IIAEKによるコレステロール代謝改善作用が完全に消失することを発見した点。(3) FPは核内転写因子PPARαのリガンドであることを発見した点。
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今後の研究の推進方策 |
(1) IAP欠損マウスでは、IIAEKのコレステロール代謝改善作用は完全に消失したので、IIAEKとIAPの関与する新しいコレステロール代謝調節経路を解明する。(2) 門脈血中に検出された濃度のFPを、ヒト肝臓細胞HepG2に添加した場合に起こる、FPによるコレステロール代謝改善作用の発現機構をPPARαとの関連性から解析する。(3) IIAEKやIIAEKのアラニン置換ペプチドとIAPのドッキングシミュレーション解析を実施する。(4) AlphaFold2により、FP以外の399種類のジペプチドとコレステロール代謝関連転写因子(PPARα)のドッキングシミュレーション解析(網羅解析)を実施する。
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