研究課題/領域番号 |
20H00618
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村田 智 東北大学, 工学研究科, 教授 (10334533)
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研究分担者 |
川又 生吹 東北大学, 工学研究科, 助教 (30733977)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,200千円 (直接経費: 34,000千円、間接経費: 10,200千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 23,530千円 (直接経費: 18,100千円、間接経費: 5,430千円)
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キーワード | 空間分子プログラミング / DNAコンピューティング / 反応拡散系 / マテリアライゼーション / 時空間分子プログラミング / DNAコンピューティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,分子プログラミングの技術をもちいて,生物が実現しているような自由自在な化学反応場の時空間制御を実現する.近年,人工的な反応拡散系によるパターン形成の研究が注目を集めているが,分子の拡散を制御するという観点が欠けているためできたパターンがすぐに散逸してしまうという問題や,できたパターンを機能化するための方法論がないといった問題があり,応用に結び付いていない.そこで本研究では,化学反応場において分子の拡散を積極的に制御する方法,および,できたパターンから物理化学的機能を引き出す方法を開発することにより,こうした問題を解決し,時空間分子プログラミングの基盤技術を確立する.
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研究実績の概要 |
本研究では,(1)時空間分子プログラミングに適した反応系の設計,(2)形成したパターンの物質化,(3)シミュレーションモデルの構築の3つを研究目的としている. (1)の時空間プログラミングに適した反応系の設計については,これまでの研究成果をまとめた学術論文がSoft Matter誌に採択された.これにより,DNA分子反応に基づくカスケードパターン形成の理論的および実験的方法論を確立することができた.具体的には,分子設計に基づく拡散係数の調整,重合反応をもちいたゲル媒質内でのパターンの固定化,重合体生成と分子放出を連動させる反応によるカスケードパターン形成の手法およびそのシミュレーションモデルを開発した. (2)の形成したパターンの物質化については,次の目標であるパターン形成からの物性制御の実験に取り組んだ.具体的には媒質をゾル媒質に変更し,パターンが形成された場所に特異的な性質(粘性,拡散係数など)の制御をねらった.そのための新たに実験槽の形状やパターンの評価手法などについて実験系を設計しなおして予備実験を行い,ゾル媒質系でもパターン形成反応が可能であることを確かめた.特に興味ある現象としてパターン形成後にパターンの位置が動的に変化する現象を見出し,現在その再現実験を行っているところである. (3)のシミュレーションモデルの構築については,(2)の予備実験の結果からゾル媒質中の物性変化モデルの構築を目指している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初の論文が採録され,次のステップの予備実験にも成功しているため.
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今後の研究の推進方策 |
高粘度のアクリルアミドゾルを媒質として用い,ゲル媒質と同様の原理によるパターン形成手法の確立に取り組む.形成されたパターンの物性を定量的に評価するため,これまでの長時間タイムラプス観察にあわせて,FRAPなどの方法により空間的な物性変化を測定する方法を開発する.これまでに開発したゲル媒質内でのパターン形成を精密に再現できるシミュレーションシステムを拡張してゾル媒質内でのパターン形成過程の予測および検証にも取り組む.
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