研究課題/領域番号 |
20H01227
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
多久和 理実 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 講師 (20814718)
|
研究分担者 |
塚原 東吾 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80266353)
平野 葉一 東海大学, 文明研究所, 研究員 (20189856)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
|
キーワード | 科学史 / 科学機器 / 光学 / プリズム / アイザック・ニュートン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、歴史学的分析と実験学的分析という二つの手法を融合して、アイザック・ニュートンに代表される17-18世紀の光学研究の実像を明らかにするものである。 具体的には、「ニュートンのプリズム」と呼ばれるプリズム8点および「スフラーフェサンのプリズム」と呼ばれるプリズム11点について史料調査および屈折率と逆分散率の測定を組み合わせて実施する。これにより、当時の重要な科学機器であったプリズムの技術を定量的に分析するとともに、ニュートンの実験を追試しようとした同時代の多くの学者たちが理論と食い違う結果を得て「実験に失敗した」と伝えられている歴史上の謎を解明する。
|
研究実績の概要 |
3年目にあたる2022年度は、アイザック・ニュートンの理論面についてのこれまでの調査のまとめとしてHistoria Scientiarum誌上でニュートン特集号を企画した。また、3月に多波長アッベ屈折計をイギリスに運搬し、大英博物館、王立医科協会、ウィップル科学史博物館、レン図書館に持ち込んで収蔵されている「ニュートンのプリズム」計5点の屈折率を本測定した。その後、屈折計をオランダに運搬し、ブールハーフェ博物館、タイラース博物館、ユトレヒト大学博物館に持ち込んで収蔵されている「スグラーフェサンデのプリズム」計11点の屈折率を本測定した。 成果1件目は、2021年度の活動内容を踏まえて、2022年11月に発行された日本科学史学会の欧文誌Historia Scientiarum誌上でニュートン特集号を発行したことである。分担研究者・研究協力者による査読論文が2件、レビュー論文が2件発表された。 成果2件目は、ニュートン理論についての研究発表会の第二弾である。2022年5月の日本科学史学会の年会において、シンポジウム「異なる視点からみたアイザック・ニュートン像を持ち寄る」を開催し、分担研究者・研究協力者による発表が4件実施された。 成果3件目は、現代的な科学分析に基づく歴史研究についての研究発表会である。2022年5月の日本科学史学会の年会において、シンポジウム「科学的分析を通じて歴史研究をすることで文字資料を超えて何がわかるのか」を開催し、分担研究者・研究協力者による発表が4件実施された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染症対策や渡航制限が落ち着いたため、イギリスおよびオランダに多波長アッベ屈折計を持ち込んだ本測定を実施することができた。また、2022年11月に発行された日本科学史学会の欧文誌Historia Scientiarum誌上でニュートン特集号を企画したことによって、周辺分野を含めたニュートン研究についての研究協力体制が強固になった。遅れていた本測定が無事に実施できたこと、同時に科学機器についての調査が進展したことにより、「おおむね順調に進展している」と結論する。
|
今後の研究の推進方策 |
4年目にあたる2023年度は、海外での本測定の続きを実施する。2022年度のイギリスおよびオランダでの測定結果を踏まえて、多波長アッベ屈折計を改良する。屈折計をイタリアに運搬し、トレヴィーゾ市立博物館に所蔵されている「ニュートンのプリズム」計3点の屈折率を本測定する。本測定の結果をまとめたシンポジウムあるいはオーガナイズド・セッションを開催する。
|