研究課題/領域番号 |
20H01282
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石川 慎一郎 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (90320994)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 学習者コーパス / 書き言葉 / 話し言葉 / アジア圏 / 評価 / テスティング / 母語話者中心主義 / 学習者コーパス研究 / 産出評価 / ルーブリック / 分析的評価 / 全体的評価 / 自動採点 / ICNALE / 発話 / 作文 / 計量モデル / 自動評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は,①学習者作文・発話に対する国際評価データ(ICNALE Rating Module)の収集・公開・分析,②ELF話者判断に基づくGWSの事例抽出,③GWSの言語特性抽出(低評価サンプルと有意差を示す特性のうち,汎L1的特性を抽出),④言語指標によるGWS推定モデル開発(語彙頻度等の説明変数から目的変数としての評価値を推定する回帰モデルと高低評価サンプルを区別する判別モデルを作成),⑤現場で活用できるGWS目標設定(学習段階別に予測される各指標値の量的位置付けを示し,教師による評価,学習者による自己診断を補助する資料としてフィードバックする)の5点である。
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研究成果の概要 |
アジア圏10か国・地域の学習者による産出(作文・対話各140本)に関して,異なるL1・国籍・職業・習熟度を有する国際評価委員会による体系的な評価データ(ICNALE Global Rating Archive)を収集し,分析を行った。最終的に160名の評価者によるデータを収集し、世界最大級の評価データセットとして公開した。v1.0、v2.0を経て、2024年3月には、データの補完と修正をふまえたICNALE GRA v2.1が公開された。同データを用い、国際シンポ開催(2020/2024)書籍出版(2023)、および、海外学術誌での論文発表(2023-2024)などがなされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は3点に要約できる。1点目は、研究者が広く共有できるリソースとして、評価データセットが公開されたことである。本データはL2学習者研究の発展に寄与しうる。2点目は、少数の母語話者が決定していたL2産出の評価の現場に、非母語話者を含む世界の英語使用者の集合知という新概念を導入したことである。従来の評価研究に内在していた母語話者中心主義を批判的に再考させる契機となりうる。3点目は、従来の学習者コーパス研究、とくに、中間言語対照分析(CIA)において、絶対的参照基準とされていた母語話者産出に代え、多数の評価者によって共通して支持される非母語話者産出を新基準にする可能性を示したことである。
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