研究課題/領域番号 |
20H01326
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坂尻 彰宏 大阪大学, 全学教育推進機構, 准教授 (30512933)
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研究分担者 |
島津 弘 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (90251909)
岩本 篤志 立正大学, 文学部, 准教授 (80324002)
橘堂 晃一 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00598295)
佐藤 貴保 盛岡大学, 文学部, 教授 (40403026)
岩尾 一史 龍谷大学, 文学部, 准教授 (90566655)
赤木 崇敏 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (00566656)
田林 啓 京都大学, 人文科学研究所, 人文学連携研究者 (10710402)
檜山 智美 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (60781755)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 敦煌オアシス地域 / 石窟史料 / 石窟寺院 / 敦煌石窟 / 敦煌 / オアシス地域 / 現地調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、オアシス地域の生活圏・信仰圏の核となる仏教石窟寺院を歴史資料としてあつかい、7~13世紀の敦煌オアシス地域の歴史像を再構築する。中国・甘粛省西部の敦煌オアシス地域には、地域の宗教的な拠点であった仏教石窟寺院群(敦煌石窟)が残されている。本研究では、敦煌石窟の石窟史料を活用して、敦煌オアシス地域の歴史研究に新たな局面を開くことを目指す。なお、本研究で用いる石窟史料とは、歴史資料としての石窟寺院の位置、景観、構造、壁画、仏像、供養人像、銘文等の総称である。
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研究実績の概要 |
2022年度の研究活動では、まず、中国・新疆ウイグル自治区のクチャの石窟寺院に関する研究成果を基に、敦煌の石窟寺院の荘厳の配置と図像内容の比較検討を行なった。また、フランスとドイツで資料調査を行い、敦煌と西域北道(中国・新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠北辺のオアシス地域)との石窟文化における類似点と非類似点を検討し、敦煌、クチャ、カラシャール、トルファン、中国本土の事例を横軸で比較検討していくという研究の視座も得た。さらに、アメリカ合衆国の美術館(ワシントンのフリーアギャラリー、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ボストンのボストン美術館およびハーバード大学美術館)を訪れて10世紀の敦煌画を調査した。加えて、中国・河西回廊全体と甘粛省・武威市永昌県における西夏時代の石窟や寺院遺跡の分布状況を分析し、西夏の支配の広がりを明らかにした。また、10世紀の敦煌の節度使と功臣号(唐宋時代に中国皇帝から功績のあった臣下に特別に下賜された称号)について分析し、10世紀後半の敦煌石窟における節度使の供養人像の歴史的背景について整理した。さらに、ラウンドテーブル・ディスカッション形式の公開研究集会を大阪大学で開催し、これらの研究成果について研究代表者・研究分担者と参加した聴衆を交えて議論し、研究の中間報告を行い、今後の研究課題の論点を整理した。なお、中国での新型コロナウィルス感染症の状況が改善されず、現地調査は行えなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度の研究計画は、中国での現地調査を前提に研究計画を策定したが、新型コロナウィルス感染症の状況改善が見られず、現地調査を実施することができなかった。そこで、本年度は国内での調査研究や中国以外の海外調査に焦点を移し、研究を進めた。しかしながら、研究期間中に予定していた研究計画全体に照らせば、やや遅れが生じている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度においては、中国での現地調査が可能になることを前提に、以下のような研究推進方策を計画している。まず、新型コロナウィルス感染症の状況によっては、研究メンバーの安全を確保しながら現地調査を実施する予定である。また、調査計画の再検討を行い、遅れた分を迅速に取り戻すためにスケジュールを見直す。さらに、現地調査以外の期間を有効活用し、文献研究やデータ分析など、研究の他の側面を進める予定である。これにより、2023年度において研究の進捗を適切に回復し、研究計画の達成を目指す。
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