研究課題/領域番号 |
20H01368
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大山 幹成 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
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研究分担者 |
米延 仁志 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (20274277)
星野 安治 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (50644481)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 年輪年代学 / 標準年輪曲線 / ヒノキ科 / 年輪幅 |
研究開始時の研究の概要 |
関連諸分野における年輪年代学の活用拡大を目指して、ヒノキ科樹木の長期標準年輪曲線ネットワークを新たに構築し、データをオープンアクセス可能する。具体的には、1)中部産ヒノキを中心に、2000年長の年輪幅標準曲線を近畿~東日本で各地方ごとに構築し、年代測定、木材産地推定を実践可能とするネットワークを整備する、2)現生中部産ヒノキを用いて、産地推定の高精度化を検討する、3)データの公開およびアプリケーションを用いた「年輪年代測定サービス」の開発を行い、研究者のみならず文化財担当者自らが年代測定を実践できるサービスを提供する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、ヒノキ科長期年輪幅標準曲線ネットワークの整備とデータのオープンアクセス化を目標としている。今年度は、構築した2000年間の中部産ヒノキ属標準年輪曲線の構築について、国際シンポジウムでの発表を行った。さらに、この標準年輪曲線の質的向上を図るため、2021年に災害で 被害を受けた長野県池口寺において、昨年度に引き続き当初材と後補材の多数の年輪試料調査を行い、年輪幅の計測、解析を実施して,曲線の質的向上を達成した。これに付随して、池口寺の修復履歴に関する年代情報も得ることができた。長期標準年輪曲線ネットワークの地域的拡充に向けては、現生材の標準年輪曲線の空白地である近畿地方日本海側の養父および芦生で昨年度に引き続き大量のスギ年輪試料の採取 を行い、年輪幅の計測、解析、標準年輪曲線構築を進めた。これまでの調査により、16世紀から現代に至る同地域の標準曲線構築が可能となった。また、秋田県渋江屋敷跡遺跡のアスナロ出土材や京都・奈良の遺跡におけるヒノキ出土材についても年輪幅計測と解析を進め、標準年輪曲線のネットワーク化を進めた。木材産地推定の高精度化を検討するため、研究分担者が収集した大量の現生木曽ヒノキ円盤の高解像度画像撮像と年輪幅計測を引き続き継続した。年輪データ変換,年輪幅データ解析用ソフトウェア等については引き続き開発をすすめ、GitHub等ソフトウェアレポジトリで一部を公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最大の目的である、2000年間の長期標準年輪曲線を構築、補強し、その内容について国際シンポジウムで発表を行い、現在論文執筆を進めた。長期標準年輪曲線の補完、標準年輪曲線ネットワークの拡充も比較的順調に進展した。一方、過去3年間のコロナ禍により、新規試料獲得を目的とした調査は予定した調査をこなせておらず,十分にリカバリーができていない。そのため、進捗状況としては、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度となるため、当初計画の目標を達成すべく、長期標準年輪曲線の論文を出版してデータを公表すると共に、引き続き標準年輪曲線ネットワークの拡充、木曽ヒノキを対象とした木材産地推定の高 精度化、年輪解析ソフトウエア解析を推し進める予定である。調査については、予算および時間的制約があることから、費用対効果の高い調査を優先的に実施する予定である。
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