研究課題/領域番号 |
20H01374
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
澤田 純明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (10374943)
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研究分担者 |
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
安達 登 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60282125)
江田 真毅 北海道大学, 総合博物館, 教授 (60452546)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 縄文時代草創期 / 後期更新世-完新世初頭 / 日向洞窟 / 人骨 / 動物骨 / 年代測定 / DNA / 後期更新世 / 生活誌 / 土器出現期 / 系統 / 更新世 |
研究開始時の研究の概要 |
土器の利用開始は、ヒト社会に強いインパクトを与えた人類史上の重大イベントである。ここで生じるのが、「どのような人びとが土器を使い始めたのか」という疑問である。本研究では、山形県日向洞窟から出土した約13,000~11,000年前の縄文時代草創期人骨群を対象として、形態解析・DNA解析・安定同位体食性分析・古病理学的分析・放射性炭素年代測定・コラーゲンタンパク分析などの多角的な考古科学研究を実施することで、土器を使い始めた人びとの形態・遺伝子・食性・健康状態を総合的に解明する。
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研究成果の概要 |
1950年代に発掘された後、年代評価が与えられないまま博物館に保管されていた山形県日向洞窟の人骨と動物骨について、AMS年代測定法で年代を測定し、13,000年前から11,000年前の縄文時代草創期(後期更新世末期)の資料が含まれていることを確認した。本研究は、縄文時代草創期および早期初頭の複数の人骨からミトコンドリアDNAを検出し、そのハプログループが縄文時代人に広く見られるハプログループの祖先的なタイプとみなしうること、また、その時期の人骨の安定同位体食性分析結果を解釈する際のリファレンス資料として活用可能な後期更新世および完新世初頭の動物骨が多く存在することなどを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日向洞窟人骨が文化財資料として注目されてこなかったのは、年代評価が定まっていなかったことに加え、伝統的な形態学的研究に不向きな散乱骨片だったことにも一因がある。しかし、本研究により、日向洞窟から出土した縄文時代の人骨は少なくとも7体以上で構成され、DNAや同位体の情報が良好に保存されている第一級の資料であることが判明した。本研究は、mtDNA解析、同位体食性分析、放射性炭素年代測定、古病理学的分析など多彩な考古科学的手法を駆使して日向洞窟人骨から最大限の情報を引き出し、断片的な人骨資料が、縄文時代草創期における資料価値の高い文化財であることを明らかにした。
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