研究課題/領域番号 |
20H01616
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高橋 章 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90304047)
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研究分担者 |
馬渡 一諭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (40352372)
芥川 正武 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (90294727)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 住空間 / 光環境 / ナローバンド / 微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
新規の発光技術を用いた経済性及び環境負荷低い、居住空間に対する光照射方法をもちいて、光応用科学・微生物感染症学・電子工学を融合し一般生活空間を想定した環境中における微生物制御基盤を確立する。このために、紫外から赤外に至る波長が、微生物に与える影響を解析し、病原微生物を含む微生物を制御する最適なシステムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
近年照明装置の進歩等により、一般生活の住居空間における環境光が劇的に変化している。特に、特定波長の強い放射束の光(ナローバンド光)が比較的容易に利用できるようになり、ヒトの生活空間に共存している微生物等に影響を与えることが徐々に判明し、光環境の危険性が指摘されていると同時に、その有効利用の可能性も指摘されている。紫外線、可視光、赤外光は一般生活に密着した光であるが、すでに光の機能がわかっているとの意見もあり、新たな研究が行われていなかった。しかし発光ダイオードなど新しい光源の進歩により、まだまだ十分理解できていなかったことが判明してきた。我々の生活に密着している紫外線から近赤外に至る波長の光機能を十分に解し、その利点と欠点を整理することは、今後の光応用にとって基本であり、電子工学、微生物学、光応用科学の分野を統合した新しい医用応用工学が生み出されると考えられる。 本研究では、新規の発光技術を用いた経済性及び環境負荷低い、居住空間に対する光照射方法をもちいて、光応用科学・微生物感染症学・電子工学を融合し一般生活空間を想定した環境中における微生物制御基盤の確立を目指した。このために、紫外から赤外に至る波長が、微生物に与える影響を解析し、病原微生物を含む微生物を制御する最適なシステムの開発を行うことを目標とし研究開発を行った。 具体的には、①ナローバンド光による微生物応答機構の解析については、近赤外線~赤外線の生物応答について解析、および光の組み合わせによる影響について検討を行った。②光照射法の検討については、微生物が局在する部位への光照射法の検討および光照射技術の最適化を通じた微生物制御技術の検討を行った。③安全性の検討においては、光照射による免疫能への影響について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画に沿い、①ナローバンド光による微生物応答機構の解析について、②光照射法の検討について、③安全性の検討についての3点を中心に解析を行っ た。 ①ナローバンド光による微生物応答機構の解析については、近赤外線~赤外線の生物応答について解析を行い、各波長の光を照射したのちそれぞれ波長特異的に遺伝子発現が異なることを見出した。さらに光の組み合わせにより、微生物の蛋白、核酸、脂質が受ける影響についてそれぞれ特徴的な影響を受けることを見出した。②光照射法 の検討については、光照射デバイスの最適化および微生物が存在する部位に限局した光照射方法の検討を行った。光源としては、2021年度に使用した光源に加えて、エキシマランプ、プラズマ発光装置等も用いて検討を行った。③安全性の検討については、各波長の光を培養細胞等に照射することにより、波長特異的に免疫能に関する遺伝子発現が変化することを見出し2021年度に引き続きさらに検討を行った。 高橋は主に微生物への影響を解析するとともに研究を統括した。馬渡は主に安全性の解析を行った。芥川は主に光照射システムの開発を行った。各種学会での研 究成果発表を計画していたが、コロナウイルス感染症蔓延などの社会的情勢のため、一部学会発表を取りやめざるをえなかった場合があった。 以上より、研究はほぼ順調に進展している
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、最先端の光源技術を利用して、光を機能性環境因子として取り扱い、ヒトの居住空間に共生している環境微生物に与える影響を分子機構から明らかにし、環境の衛生管理に応用しようとする。これは今まで主流であった照明に関する研究から離れて、紫外から赤外に至る光により、生物機能を制御しようとするものである。 紫外線、可視光、赤外光は一般生活に密着した光であるが、すでに光の機能がわかっているとの意見もあり、新たな研究が行われていなかった。しかし発光ダイオードなど新しい光源の進歩により、まだまだ十分理解できていなかったことが判明してきた。我々の生活に密着している紫外線から近赤外に至る波長の光機能を十分に理解し、その利点と欠点を整理することは、今後の光応用にとって基本であり、電子工学、微生物学、光応用科学の分野を統合した新しい医用応用工学が生み出されると考えられる。 今後は、①ナローバンド光による微生物応答機構の解析、②光照射法の検討について検討を行う。 具体的には、①ナローバンド光による微生物応答機構の解析について、光の組み合わせによる影響を中心に解析を行う。各波長の光による影響に加えて、それぞれの波長の光を組み合わせた場合、微生物に対してどのような影響を与えるかについてはほとんど解析されていない。そこで、各波長の光を組み合わせて照射したときの微生物に与える影響について検討する。②光照射法の検討については、これまでの光照射技術と病原微生物に対する影響を統合し微生物制御技術の確立を目指す。特に、実際の生活空間における微生物に対する影響を検討する。 研究成果は、学会等で発表していく予定であるが、コロナウイルス蔓延などの社会情勢に応じた対応をとっていく。
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