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中学校技術科の4内容を統合した問題解決能力の育成に関するカリキュラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H01681
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関広島大学

研究代表者

木村 彰孝  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (50508348)

研究分担者 鎌田 英一郎  長崎大学, 教育学部, 准教授 (00780735)
藤本 登  長崎大学, 教育学部, 教授 (60274510)
倉元 賢一  第一工科大学, 工学部, 准教授 (20908107)
武藤 浩二  長崎大学, 教育学部, 教授 (30311096)
鈴木 裕之  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (90284158)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2022年度)
配分額 *注記
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
キーワード中学校技術科 / 問題解決能力 / リスク / 4内容の統合 / カリキュラム / 統合
研究開始時の研究の概要

本研究は,中学校技術科において生徒に現実社会の幅広い問題を解決する能力を育成することを目的に,リスクの視点を取り入れ,技術科の4つの内容を統合した問題解決に関するカリキュラムの開発し,学校現場への活用を目指すものである。設定した題材に即した学習内容・方法と教材を作成し,その有効性と問題点を授業実践と生理・心理・認知面の測定により多面的な視点から検証する。

研究実績の概要

リスクの視点を取り入れ,4つの内容を統合した問題解決能力の育成に関するカリキュラムの開発のうち,2021年度は2020年度に設定した大題材「地域の人が喜ぶ公園を提案しよう」に対応した各内容のテーマ「A安心」「Bコミュニティの形成」「C災害」「D災害・防犯」に即し,4内容の統合とリスクの視点を考慮した学習内容・方法,教材,カリキュラムの検討を行った。Aでは,小題材を「子どもが安心して使える公園のベンチを考えよう」と設定し,中学1年生を対象に22時間の授業内容を作成し,実践を通して有用性を検証した。例えば,「材料と加工の技術の最適化」では,立場の異なる視点から小題材の設計を3回行う授業内容を実践し,根拠に基づいて最適化を行う力は身に付いたものの,リスクの視点を含む多面的な視点から問題解決を行う力は十分に身に付かなかったことが示唆された。B では,小題材を「花で地域の心に輪を作ろう」と設定し,キクの教材化に関する検討を行った。Cでは,小題材を「地域住民の災害時の生活を楽にする遊具を開発しよう」と設定し,授業内容の検討と一部試行を行った。Dでは,小題材を「公園の危険通報システムを開発しよう」と設定し,シングルボードコンピュータを用いたチャットプログラムと模擬授業実践を行った。
また,前頭前野の脳活動と自律神経活動を用いた学習状況や学習過程の評価手法の検討として,2021年度は製図学習における教示方法の差異が学習者に与える影響を検討した。製図学習時に作業時の手元映像を提示した演示群と未提示の資料群でその後の製図作業における前頭前野の脳活動の賦活の程度が異なり,演示群は資料群より作業中に脳活動が高まる部位が少なかった。原因として,演示群の学習の動画において,情報量が多く,理解を深めることができなかった可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた内容のうち,項目①:統合的な問題解決の現状把握と分析,項目②:リスク教育の現状把握と分析については,概ね終了することができた。
項目③:教育方法と教材の開発については,項目①と②で得られた結果と2020年度に設定した大題材と小題材・テーマを基に,各内容において4内容の統合とリスクの視点を考慮した学習内容・方法,教材,カリキュラムの検討を行い,一部については実践し,検証することができた。
項目④:学習状況や学習過程の分析・評価と最適化については,前頭前野の脳活動と主観評価などを同時に測定することで,教示方法による思考の程度を客観的かつ詳細に評価できる可能性を示すことができた。

今後の研究の推進方策

2021年度までに終了した項目①:統合的な問題解決の現状把握と分析,項目②:リスク教育の現状把握と分析,を踏まえ,2022年度は以下の内容を進める。
項目③:教育方法と教材の開発については,2021年度に引き続き,リスクの視点を取り入れた小題材の学習内容・方法と教材,カリキュラムの検討を行う。現場教員と連携し,部分的に授業実践を実施し,有効性を検証する。項目④:学習状況や学習過程の分析・評価と最適化については,2021年度に引き続き,前頭前野の脳活動と自律神経活動,視線の動きを用いた学習状況や学習過程の評価手法の検討を行う。特に,今年度は項目③で開発した教材やカリキュラムの評価への適用を視野に検討を進める。なお,本項目は広島大学大学院人間社会科学研究科倫理審査委員会の承認を得た上で実施する。項目⑤:カリキュラムの開発と総括については,項目③をベースに,リスクの視点を取り入れ,4つの内容を統合した問題解決能力の育成(大題材)に関するカリキュラムの開発を行う。
各小題材の学習内容・方法,教材,授業実践の結果等を学会で発表する。研究者と現場教員の視点から助言を頂き,改善を加える。
当初の計画通りに研究を進め,リスクの視点を取り入れ,4つの内容を統合した問題解決能力の育成に関するカリキュラムの開発を目指す。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書

研究成果

(9件)

すべて 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] シングルボードコンピュータを用いたチャットプログラムと模擬授業実践2022

    • 著者名/発表者名
      倉元賢一,武藤浩二,木村彰孝
    • 雑誌名

      日本産業技術教育学会九州支部論文集

      巻: 29 ページ: 27-34

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 構想の再検討と図面作成を支援する試作用材料の評価2021

    • 著者名/発表者名
      惠谷林太郎,木村彰孝
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第64回全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 中学校技術科の4内容を統合した問題解決に関するカリキュラムの開発-カリキュラム全体の構想について-2021

    • 著者名/発表者名
      岩崎透子,木村彰孝,鎌田英一郎,藤本登,武藤浩二,倉元賢一
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第64回全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] BBC micro:bitとPythonを用いたチャットプログラムの試行と授業提案2021

    • 著者名/発表者名
      倉元賢一,武藤浩二,木村彰孝
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第34回九州支部大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] BBC micro:bitとPythonを用いたチャットプログラムの一提案2021

    • 著者名/発表者名
      武藤浩二,倉元賢一,木村彰孝
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第34回九州支部大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] micro:bit を用いた文字通信のプログラミング実習装置2021

    • 著者名/発表者名
      武藤浩二,松橋慶季,木村彰孝
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第36回情報分科会(高知)研究発表会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 立体の提示方法の違いが第三角法による正投影図の製図作業時の脳活動に与える影響―立方体15個で構成された図形を用いて―2020

    • 著者名/発表者名
      岩崎透子,木村彰孝
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第63回全国大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 材料と加工の技術における製作品の構想・設計・製作の繋がりを意識した試作用材料を利用した授業実践の試み2020

    • 著者名/発表者名
      倉元賢一,木村彰孝
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第33回九州支部大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 図形の難易度の違いが製図作業時の脳活動に与える影響に関する予備的検討2020

    • 著者名/発表者名
      岩崎透子,木村彰孝
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第33回九州支部大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2022-12-28  

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