研究課題/領域番号 |
20H01709
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 富士大学 |
研究代表者 |
金子 賢一 富士大学, 経済・経営システム研究科, 教授 (50337177)
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研究分担者 |
川乗 賀也 同朋大学, 社会福祉学部, 准教授 (20725113)
真壁 寿 順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (60363743)
米本 清 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (90305277)
水戸 和幸 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90353325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 乗馬セラピー / 肢体不自由 / 特別支援教育 / 筋電図 / 光トポグラフィー / EMG / 脳性麻痺児 / NIRS / ウェーブレット解析 / 乗馬 / 重心動揺 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は重度の肢体不自由のある児童に対して行う運動教育プログラムの開発を目的に,乗馬運動が脳・神経-筋メカニズムに与える効果を解明する.どの程度の負荷を伴った乗馬運動を行えば,どの程度の日常生活動作(ADL)が改善されるのか予測可能な『乗馬運動効果予測モデル』を構築し,得られた知見をロボット乗馬環境の開発に応用する.
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研究実績の概要 |
本年度は4年間の研究の2年目となり,昨年度に引き続きフィールド実験およびラボ実験を行うことが研究計画の中心であった.しかしながら,新型コロナウィルス感染予防の視点から計画通りの実験を進めることはできなかった.新型コロナウィルス罹患者数が全国的に減少した時期に実験を実施し,昨年度得たデータも含め分析することで,7月にストックホルムで開催された国際会議(オンライン開催)にて研究発表を行った.具体的な研究実績は以下のとおりである. 超低体重出生児(ELBWI)で肢体不自由のある児童2名と健常な児童2名の乗馬運動中の表面筋電図(SEMG)を上肢及び下肢の8か所の筋群から計測し,被験者グループごとに比較を行った.得られたSEMG信号のRoot Mean Square value (RMS)を尺度として筋活動を評価し,8ch全体のRMS値に対する腰部(計4ch)と頸部(計4ch)のRMS値の割合(%RMS)を算出し,ELBWIの乗馬運動における筋活動の特徴を分析した.その結果,健常な児童では乗馬運動中の筋活動は約90%が腰部の活動で占められているのに対し,ELBWIでは腰部の筋活動はおおよそ30%であり,主に頸部の筋活動により乗馬運動中の姿勢制御を行っている様態が判明した.ELBWIの児童は体幹の筋発達が未熟であることが本研究結果に反映されていると推察される.本研究で用いたSEMGの評価尺度である腰部と頸部の%RMSの値は,乗馬セラピー効果を評価する尺度として有効であることが示唆された.乗馬セラピーにより体幹の筋活動が促され,ひいては体幹を中心とする筋群の筋力向上につながれば,乗馬セラピーはELBWIの肢体不自由を改善する大きな要因になる可能性があろう.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染予防の観点から,当初予定していた実験の全てを被験者に依頼することができず,かつ,岩手県外に在住の共同研究者が来県して実験を行うことができなかったため.しかし,オンラインミーティングやメール会議により,研究の進捗状況を報告しながら,分析方法について議論することはできた.コロナ禍にあって,本研究でこれまでに得られた貴重なデータを分析することで,オンラインで開催された国際会議で発表することができた.
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の推移を慎重に見極め,できる限り,当初の研究計画通りのフィールド実験とラボ実験を実施する.どうしても実験によるデータ収集が困難な場合は,理論的研究に重点を移し,日常生活改善の予測可能モデルの構築に関してシミュレーションによる研究を行う.
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