研究課題/領域番号 |
20H01741
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大谷 実 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50241758)
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研究分担者 |
伊藤 伸也 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (10570434)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 高大連携 / 探究 / 教科横断 / 課題学習 / 数理コンピテンシー / 探究的学習 / 教科横断的学習 |
研究開始時の研究の概要 |
高校教育は,高大接続改革や新学習指導要領改訂など大きな質的変革期にある.本研究は,探究の過程を通して課題を解決するために必要な数理コンピテンシーを,高校と大学の教員が連携して育成する「課題学習システム」を構築することを目的とし,次の3点を達成する. ① 総合的な探究の時間において,SGDsを意識したチームで協働して取り組む課題学習のモジュールを開発し実践する. ② 数学や理数探究の教科の授業において,他教科と連携した教科横断的な課題学習を開発し実践する. ③ 課外活動において「数理チャレンジクラブ」を組織し,日常や社会生活の事象を数理的な視点で考察する課題を開発し生徒による自主ゼミナールを組織する.
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研究実績の概要 |
本研究は,探究の過程を通して課題を解決するために必要な数理コンピテンシーを,高校と大学の教員が連携して育成する「課題学習システム」を構築するために,オランダの「現実的数学教育論」(Realistic Mathematics Education)をモデルとし,オランダの専門家とも協働し,次の3つレベルでの課題学習のシステムを開発するものである. 本年度は,以下の3つのレベルにおいて課題学習の開発に取り組んだ.それらは,①総合的な探究の時間において,SGDsを意識したチームで協働して取り組む課題学習のモジュールを開発すること.② 数学や理数探究の教科の授業において,他教科と連携した教科横断的な課題学習を実践すること.③ 課外活動において使用する課題を開発することである. 本年度は,3つのレベルでの課題学習システムを,金沢大学の数学教育研究者2名と,金沢大学附属高等学校数学科教員等4名,そして,オランダのユトレヒト大学並びに中央テスト開発研究所の専門家4名との協働を通して開発を行った.①に関しては,オランダの高大連携総合的科目「自然・生活・テクノロジー(Nattur, Leuven, en Technologie)」のモジュールおよび金沢大学が主催する高大接続コンテスト「数学A-lympiad」の課題を翻訳した.②に関しては,オランダの専門家であるMichiel Doomanの助言を受け,Mascil課題の収集と修正を行ったが,日本への招へいをすることができなかったので,授業の実施は次年度に繰り越した.③に関しては,オランダの教育測定研究所Citoが作成する「全国最終試験」(Final Exam)の数学エキスパートのRuud Stolwijkを招聘することができなかったので,Cito問題の翻訳を行い,その翻訳を完成して「教師用教授資料」として取りまとめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年11月までに,事前準備,教科書・問題集の購入,附属高校教員と教材開発,オランダからの研究者の招へい,オランダの現地調査等を行い,令和4年3月までに高大接続モデルの開発、高大接続モデルの完成を行う予定であったが,教科書等の購入ができず,また,新型コロナウイルス蔓延のために,学校での実践が一部しか実施できず,オランダからの専門家の招へいができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大の推移に注視しながら,今後は,3つのレベルでの課題学習システムで未実施の内容も同時に進めながら,以下の研究を推進する. オランダのユトレヒト大学並びに中央テスト開発研究所の専門家を日本に招聘し,また,現地での調査を実施しながら,①のレベルに関しては,オランダの高大連携総合的科目「自然・生活・テクノロジー(Nattur, Leuven, en Technologie)」のモジュールおよび金沢大学が主催する高大接続コンテスト「数学A-lympiad」の課題を翻訳を継続し,附属高等学校で授業実践を行う.②に関しては,オランダの専門家であるMichiel Doomanを招聘し,Mascil課題の翻訳と日本的な改良を加え,附属高等学校で授業実践を行う.③に関しては,オランダの教育測定研究所Citoが作成する「全国最終試験」(Final Exam)の数学エキスパートのRuud Stolwijkを招聘し,Cito問題の翻訳を継続的に行い,その翻訳を「教師用教授資料」として出版し,全国の高等学校に無償で頒布する.
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