研究課題/領域番号 |
20H01763
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
小林 春美 東京電機大学, 理工学部, 特定教授 (60333530)
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研究分担者 |
橋弥 和秀 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20324593)
安田 哲也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (90727413)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 他者の意図 / 意図推測 / 言語発達 / 語の意味の発達 / 指さし / 視線 / 幼児 / 他者行為の見積もり / 語意味の推測 / 部分名称 / 事物名称 / 社会語用論的アプローチ / リーチング行動 / 意図理解 / 「わざわざ」行う行動 / ジェスチャー / 語彙獲得 / お節介な行動 / 他者行為 / 意図共有 / 乳児 / わざわざ行う行為 / 視線方向 / お節介行動 / 協調原理 / 語の意味の獲得 / 社会語用論アプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
他者の行為は、他者に何らかの情報を与えるだけでなく、その行為のあり方が合理性の観点から見て妥当か逸脱があるかという、合理性の観点からも評価されていると考えられる。行為者の何らかの意図がそこから推測される可能性が高く、子どもが何事か価値あることを大人から学べる可能性がある。「他者行為の見積もりはいかに可能となり、意図推測に結びつき、語の学習が可能となるのか?」が本研究の核心となる問いである。 実験では大人が無理して事物へ手を伸ばす様子や、ボタンを押せない様子を示し、子どもに新奇な語を使って依頼を行う。他者行為の評価を通して意図推測を行い、新たな語の意味の推測につなげる乳幼児の能力を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、他者の行為は合理的か、逸脱があるかに子どもが気づく能力が他者の意図推測に結びつき語の学習を促進する可能性を明らかとすることを目的としていた。1つ目の研究では、実験者が事物の部分に指を接触しつつ指先を小さく旋回させて語(部分名称)を言ったときに、成人がわざわざ行っているこの行為について幼児が部分名称の獲得に結びつけるかを調べた。2つ目の研究では、事物の部分に指先を接触させる指さし(接触指さし)を利用し、指さしに加え実験者の視線シフトからも他者行為の見積もりができるかを検討した。これらの研究から、他者行為の見積もりから語を学ぶ能力が幼児にあり、発達に伴う変化があることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで語の学習は連合学習、たとえば事物と語がどのように共起して出現するかを学ぶことが強調されがちであった。これに対し、本研究では他者の影響に注目する点で社会語用論的アプローチをとるが、これまで見過ごされがちであった「他者行為の見積もり」と語意味の推測能力について調べた点がユニークと言える。他者の行為は合理的か、逸脱があるかに子どもが気づく能力が他者の意図推測に結びつき語の学習を促進することを明らかとした。社会語用論的アプローチを子どものコミュニケーションに関わる推論の観点から拡張した。言語獲得に難しさを持つ子どもへの支援も、こうした能力を育てる観点から考慮することに貢献できる成果と言える。
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