研究課題/領域番号 |
20H01782
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本吉 勇 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60447034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 知覚 / 意思決定 / 注意 / 脳 / 視覚 / 知覚的意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちは複雑な映像のなかの物体や情景の概要をひと目で素早く認知することができますが(fast vision),じっくり時間をかけてより深い認知をすることもあります(slow vision).本研究では,映像を目にしてから意思決定をするまでの間に,脳がどの時点のどのような情報をどのように利用しているかを明らかにできる新しい分析手法を駆使して,この熟慮的な視覚認知の脳情報処理メカニズムに迫ります.
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研究成果の概要 |
本研究では,系列的にサンプリングされた情報に基づく知覚的意思決定のメカニズムを理解するため,刺激への反応時刻にロックした逆相関解析により観察者がいつ・どこの・どのような情報を利用して意思決定をしたかを分析した.ノイジーな時間変動をする視覚刺激に関する方位弁別やコントラスト検出を対象とした一連の心理物理学実験を実施し同分析を適用した結果,観察者の意思決定を決定づける情報は行動反応の約400ミリ秒前を頂点とする組織的な変動を示し,また空間的注意により増幅されることがわかった.これらの結果に基づき,低次視覚系の時間応答関数と感覚エビデンスの累積に基づく知覚的意思決定の計算モデルを提案した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間の視覚系は,画像全体を並列分析して得られる特徴量に基づき複雑な物体や情景を認識することができるが,画像中の様々な側面の情報を繰り返し系列的にサンプルすることにより深く詳しい認識結果を得ることもできる.深層学習を含む現行の視覚認知の理論は前者の素早い認知しか説明できない.本研究で得られた実験結果と計算モデルは,後者の系列的な視覚認知を説明するための理論に向けた基礎的な知見と有益な研究の枠組みを提供するものである.
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