研究課題
基盤研究(B)
先進多段階ろう付接合法(AMSB)を用いたダイバータ受熱機器製造技術を確立させる.AMSBは「GlidCop同士」あるいは「GlidCopとGlidCopよりも融点の高い各種金属」に対し,流体漏れのない条件の接合を1つのダイバータ受熱機器製造過程で繰り返し適用可能とした特許技術である.各接合部はろう付の性能をはるかに超えた強靭な品質であることがわかっているが,その接合メカニズムの詳細は不明である.本研究では,まず,接合部の微細構造解析等により接合メカニズムの解明を行い,更なる接合特性改善のための指針を得る.得られた指針を基に,AMSBによる大規模ダイバータ受熱機器の設計・製造技術を確立させる.
研究代表者が発明した世界初のろう付接合法「先進多段階ろう付接合法(Advanced Multi-Step Brazing: AMSB)」を用いて,酸化物分散強化銅(ODS-Cu)をヒートシンク材料に,タングステン(W)をアーマー材料とした世界最高性能の核融合炉用ダイバータ受熱機器の設計・製造技術を確立させた.同製造技術を用いて「新構造ダイバータ受熱機器」の試験体を設計・製造し,電子ビーム熱負荷試験を行った.その結果,当初の目標であった20 MW/m2を大きく超える30 MW/m2の定常熱負荷に対して安定した除熱性能を確認した.
研究代表者が発明した世界初のろう付接合法「先進多段階ろう付接合法(Advanced Multi-Step Brazing: AMSB)」は,核融合炉のダイバータ受熱機器に対する革新的製造技術に位置付けられ,学術的価値の高いものである.一方で,本技術は異分野や産業界で要求される除熱機器の性能向上や高電圧の接点材料への応用に展開できる可能性を秘めている.今後,産学官連携活動を進めていくことで産業界への技術移転に繋がる可能性が期待される.
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