研究課題/領域番号 |
20H01914
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
渡邊 圭 信州大学, 繊維学部, 特任准教授 (30737763)
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研究分担者 |
橋本 義徳 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 主任技師 (10391749)
西口 創 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (10534810)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 素粒子実験 / ミューオン / ストローチャンバー / ナノファイバー / グラファイト / ポリイミド / 複合材料 / 不織布 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ナノファイバーおよびポリイミドのグラファイト化技術を応用することで、従来技術では到達できない「膜厚5μm、直径5mm」の超低物質量グラファイトストローを実現する。この超低物質量グラファイトストローを検出器に用いることで、ミューオン電子転換過程(μN→eN)探索(COMET)実験での未踏領域である感度[10-18]の実現が可能となる。これにより世界初のμ-e 転換事象発見の可能性を飛躍的に高め、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)実験で得られる結果に別の切り口から得られる知見を組み合わせ、素粒子標準理論を越える新しい物理描象により詳細に迫ることを可能にする。
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研究実績の概要 |
本研究では、ナノファイバー(NF)とポリイミド(PI)のグラファイト化技術を応用することで、従来技術では到達できない「膜厚5μm、直径φ5mm」超低物質量グラファイトストローを実現し、ミューオン飛跡検出器の未踏領域である感度[10-18]に迫ることが目的である。 本研究項目は<研究項目(A)及び(B)>の2つに分かれている。 <研究項目(A):「膜厚5μm、直径φ5mm」グラファイトストローの作製>(担当:渡邊) 本年度は熱処理条件の最適化について検討を行った。初年度の研究結果から、熱処理後に均一なグラファイトチューブを得るには、熱処理前のPIチューブの段階で、高精度の均一性が求められることが判明したため、PIチューブ作製方法を改善し、均一性の高いPIチューブを作製し、熱処理条件の最適化を行った。さらに作製したPIチューブをグラファイト化する熱処理条件の最適化試験を行った。結果として、まだ不均一ではあるが、膜厚30μm以下、直径φ4mm、長さ75mmの良導体グラファイトストローを得た。 <研究項目(B):「膜厚10μm以下、直径φ10mm」フィルムストローの作製>(担当:橋本、西口) PENフィルムの熱溶着によるフィルムチューブ作製を行った。また研究項目(A)と比較するため、フィルムタイプの膜厚50μm、直径φ10mm、長さ80mmPIストローを用いて、グラファイト化試験を行った。フィルムタイプでは、2800℃までの熱処理工程中に接着部分が剥がれる現象が確認できた。溶着部はフィルムと同一系の接着剤を使用していたが、高温環境下でグラファイト化せずに消失することが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ストロー作製のために装置開発を行っていたが、パーツの納期未定状態がつづいており、設計変更を行ったことで遅れが生じた。また、グラファイト化工程に必要な焼成炉を所有する協力企業の事業転換のため、焼成試験先を変更する必要性が生じ、変更先にて熱処理条件の最適化試験を最初から行う必要があったため、遅れが生じていたが、初回試験で良好な熱処理条件を見つけることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
本研究項目は<研究項目(A)及び(B)>の2つに分かれて行う。 <研究項目(A):「膜厚5μm、直径φ5mm」グラファイトストローの作製>(担当:渡邊、橋本、西口)PIストローからグラファイトストローに炭化・焼成する熱処理条件の最適化を行う。また、PIがグラファイト化する工程では、大きな寸法変化が無いことがこれまでの実験で確認できているため、PIストローを均一に作製することが重要と考えられる。そこで、これまでよりも高精度に膜厚や凹凸の均一なPIストローの作製条件を探索する。 <研究項目(B):「膜厚10μm以下、直径φ10mm」フィルムストローの作製>(担当:橋本、西口)巻き溶着装置での1m 以上の内壁導電加工済スパイラルストローの作製と評価を行う。 [共通研究項目:物性評価及び実装評価] 昨年度に引き続き、サンプルの基本物性評価は信州大学繊維学部にある電子顕微鏡(SEM)、フーリエ変換赤外分光装置(FT-IR)、熱分析装置(TG、DSC)、X線回折法(XRD)、及び引張試験機を用いて行う。KEKにて検証用のストロー検出器を設計開発し、検出性能の評価を行う。KEKにて力学的試験や真空中でのガス漏洩計測、Sr90線源からのベータ線照射による基礎性能評価を実施する。
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