研究課題/領域番号 |
20H01925
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
本多 佑記 東北大学, 電子光理学研究センター, 助教 (70807685)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 原子核物理 / 陽子半径 / 検出器 / 電子散乱 / 原子核 |
研究開始時の研究の概要 |
電子とミューオンで測定された陽子荷電半径が4%(7標準偏差)も異なるという結果が2010年に報告された。これは、標準模型のレプトン普遍性の破れの可能性を示唆しており、大きな注目を浴びた。その重要さから様々な検証が行われ、過去の電子散乱による陽子半径測定にはモデル依存性が指摘されるようになった。本研究では極限までモデル依存性を排除した、電子散乱による陽子半径測定を行う。これは低エネルギー電子散乱によってのみ可能な研究であり、現時点では東北大電子光理学研究センターの低エネルギー電子ビームラインでのみ実行が可能である。この研究に向けたCH2 標的中の陽子/炭素比のオンライン測定器の開発が目的である。
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研究成果の概要 |
東北大学電子光理学研究センターでは低エネルギー電子散乱による陽子電荷半径測定実験を推進している。CH2標的を使用して電子・水素/炭素散乱の同時測定を行うが、電子ビーム照射によって段々と水素が抜け、実験中に最大で約20%の水素が減少すると予想されている。この標的数の変化を 0.1% 以下の精度で追跡する必要があり、炭素・水素標的比オンライン検出器の開発を行った。 ビームラインと検出器を設置する電磁スペクトロメータのコミッショニングを行い、検出器に要求される性能を調査し、三層の片面シリコンストリップ検出器をオンラインモニターとして使用することとし、その製作を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陽子は原子核を構成する基本要素の一つであり、その電荷半径は陽子の基本的な物理パラメーのひとつであり、物理的に重要な値である。ELPH で行う電子散乱による陽子電荷半径測定は低エネルギー電子散乱によって初めて可能な研究であり、現時点では東北大電子光理学研究センターの低エネルギー電子ビームラインでのみ実行が可能である。モデル依存性を可能な限り排除し、電子散乱としては最も信用できる陽子電荷半径を決定することができるため、世界的に見ても重要な実験である。本研究で物理実験を開始できる段階まで進む準備が整った。
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