研究課題/領域番号 |
20H02067
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻 徹郎 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (00708670)
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研究分担者 |
田口 智清 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90448168)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 分子流体力学 / ナノ粒子 / 光熱効果 / 光圧 / 熱泳動 / 履歴効果 |
研究開始時の研究の概要 |
光や熱を利用した微小スケールの局在力場は,非接触な粒子操作方法として,近年生命科学への応用が進んでいる.一方,流体力学に着目した局在力場の適用は少なく,その利点を学理として体系化することが期待される.そこで本研究では,微小粒子運動を制御できる局在力場を用いて,単一粒子の運動を題材とした分子流体力学の基礎問題に実験・数理の両面から取り組む.理論・計算により精密解を構成しそれらを実験と比較することで,実験・数理の両面から分子流体力学の体系化に貢献する.得られた知見は,従来定量化が難しい粒子表面性状や流体局所物性の計測手法への展開が期待される.
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研究成果の概要 |
近年の実験技術の発展により,光や熱の局在化にともなうマイクロ・ナノスケールの局在力場の形成が可能である.前者は光圧,後者は熱泳動力であり,これらの力場は微小物質操作に応用できる.本研究では,集光レーザーによる光圧とその光熱変換による加熱をもちいた熱泳動力を利用して,微小粒子の運動制御や,力が働くメカニズムの解明に向けた実験をおこなった.具体的には,熱対流による流体力と熱泳動力のバランスを変化させることで粒子の集積・枯渇を切り替える手法や,熱泳動力の起源となる流れの評価方法を提案した.並行して,気体の場合における単一微小粒子に働く力を数理的な手法で調べ,実験との比較に向けた整備をすすめた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
【学術的意義】真空中を除いて微小粒子は常に流体と接しているため,粒子に働く種々の力の起源を実験的に調べる上で熱流体力学的な力の理解は重要であり,分野を超えた学術的意義をもつ.本研究では,粒子表面近傍に誘起される流れの評価手法を提案し,この流れが粒子に力を及ぼすことを実験的に示すことで,手法の有用性を確かめた.【社会的意義】微小粒子に働く力の起源が分かれば,それを制御できる可能性が拓ける.空気中であればウイルスを含んだ飛沫,液体中であれば血液中の腫瘍マーカー等,識別と抽出が重要と考えられているさまざまな微小粒子に対して,本研究は新しい基盤分離技術の原理提案に繋がる基礎研究である.
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