研究課題/領域番号 |
20H02141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
千葉 明人 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (30435789)
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研究分担者 |
呂 国偉 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (30599709)
坂本 高秀 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (70392727)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | RFフォトニクス / 光2トーン信号 / RF信号 / 周波数下方変換 / マイクロ波・ミリ波フォトニクス / RFフォトニクス / 光2トーン信号 / RF信号 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第5世代移動通信システム(5G)や自動車用レーダ等の用途で今後利用拡大が見込まれるミリ波帯高周波(RF)信号計測における高確度化の手法に関するもので、高速・高精度の変復調が可能となる光波を介して信号計測の高確度化を図る「光波アシストRF計測」を提案するものである。研究代表者による独自開発の光源の特長も活用し、ミリ波帯デバイスの高周波特性による限界から脱却した信号計測の実証を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、光波に対する変調や検出を利用してミリ波帯高周波(RF)信号を計測する手法となる「光波アシストRF計測」を提案する。光波に対する高速変調を具現化する「進行波型電極構造」の特長を研究代表者が独自に開発した「光2トーン信号源」の特長と融合させ、ミリ波帯デバイスの高周波特性による限界から脱却した高確度の信号計測が可能となることを、実験・モデル解析の両面から実証することを目指す。今年度は主に、前年度に引き続きRF信号評価手法の洗練を継続し、提案手法のアップデートを進めた。具体的には、基準RF信号周波数の低減を可能とする手法を模索し、我々独自の手法を提案することができた。シミュレーションに基づいてその妥当性を裏付けることに成功し、その知見は当該分野に於いて知名度の高い国際会議で発表することができた。現在、得られた結果の実験的裏付けとともに実利用における有用性の実証に向けて検討を進めている。また光サイドバンドの増幅を行う媒質(高非線形光ファイバ)についても検討を進めた。既報告の知見も踏まえて、所望の非線形光学応答が期待できるパラメータを有するものを選定し、調達を進めた。この媒質の光学パラメータに対する解析や検討を今後行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請の段階では、信号評価に利用するRF信号周波数の低減を実現する技術的シーズとして我々が独自に開発した「周波数間隔が広い光2トーン信号」生成手法を想定していたが、信号評価手法を多角的な視点から検討した結果、代替のアプローチも存在することを発見し、その妥当性も見出すことができた。現時点ではモデル解析に留まっているが、現在実験的検討も進めており、一連の知見を論文としてまとめられる見込みも高い。また、令和3年度の研究実績報告書で触れた『「光波の変調と検出を媒介とするRF信号評価手法」のリアルタイム化』については技術情報誌での紹介記事に留まらず、電子回路やシステムに関する国際会議から招待講演の依頼も頂き、周辺分野における学術的知見の蓄積にも貢献できたと考える。これらの点から「おおむね順調に進展している」という評価が最も妥当であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
まずRF信号評価における基準RF信号周波数の低減について主に実験的アプローチから引き続き検討を継続するとともに、基準RF信号源を要しない手法の検討も進め、提案手法のアップデートに繋げる。測定誤差の低減についても、構成要素の改良などによるアプローチを試みる。更に光サイドバンドの増幅についても、選定した媒質(高非線形光ファイバ)の光学パラメータを踏まえて数値解析・実験の両面から検討を進め、実利用により適する信号評価手法の実現を目指す。更に、前年度に進めた「RF信号位相推定における動作のリアルタイム化」について、内部パラメータ調整の簡便化などの観点から、電子回路からマイコンに置き換えることも模索する。
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