研究課題/領域番号 |
20H02195
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
吉村 哲 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (40419429)
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研究分担者 |
肖 英紀 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (10719678)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 強磁性・強誘電薄膜 / 高機能磁性薄膜 / 電界印加磁化反転 / 電界印加磁気転写 / 磁気デバイス / 高機能金属磁性薄膜 / 高機能磁性材料 / 高性能磁気デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
近年実証された物理現象および高機能な磁性薄膜を用いた、新規に提案されている革新的な磁気デバイスは、高密度化・高集積化されることが想定される結果、デバイス全体において、大きな消費電力での磁化反転(記録)・磁化反転(記録)素子の複雑構造化、などが懸念される。本研究では、良好な磁気特性を有する強磁性・強磁性薄膜を作製し、それと高機能な磁性薄膜との積層膜において、電界を印加することにより強磁性・強誘電薄膜の磁化反転を介して高機能磁性薄膜を磁化反転(磁気転写)させる新しい手法を検証し、超低消費電力かつ簡略な素子構造を有する更に革新的な磁気デバイスの実現を可能にする手法を確立する。
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研究成果の概要 |
磁気特性に優れたBiFeO3系強磁性・強誘電薄膜を作製するため、レーザーアシスト加熱機構を導入して最大加熱温度を200℃程度増大させたところ、飽和磁化を1.5倍近く増大させることに成功した。また、Aサイトを置換するランタノイド元素にLa, Nd, Sm, Gd, Dy、Bサイトを置換する遷移元素にCo, Niを用いたところ、NdとCoを使用した場合には大きな飽和磁化、LaとNiを使用した場合には大きな垂直磁気異方性、LaとCoを用いた場合には大きな磁気Kerr回転角が得られた。また、BiFeO3系薄膜とCo/Pd薄膜との積層膜において、積層膜への電界印加によるCo/Pdの磁化反転を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超大容量・低消費電力稼働のレーストラックメモリ、超高速・不揮発の磁気ランダムアクセスメモリ、立体映像表示用の空間光変調器、などの次世代磁気デバイスにおいて、垂直磁化や高スピン分極率や巨大磁気Kerr効果などの高い機能性を有する磁性薄膜の磁化方向を反転させるための方法として、現在は、古典的な電流磁界や20年ほど前に実証されたスピン注入を用いることが想定されており、本手法では高い稼働電力が懸念される。強磁性・強誘電薄膜とこれらの高機能磁性薄膜を用いた積層膜において、電界印加磁気転写により高機能磁性薄膜の磁化反転ができることを実証した本研究は、次世代磁気デバイスの実装を加速させるものとなる。
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