研究課題/領域番号 |
20H02298
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大久保 孝昭 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (60185220)
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研究分担者 |
松本 慎也 近畿大学, 工学部, 准教授 (30325154)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 補修効果 / 持続性 / ひび割れ / 剥離 / 漏水 / 透気性 |
研究開始時の研究の概要 |
自分の所有する住宅や建築物の長寿命化は多くの国民の願いであり,これを達成するためには,維持管理段階の補修は必須である。補修工法や材料の選定にあたっては,「補修効果の持続性」は重要なファクターであるが,現状では公的機関の維持保全指針等でも考慮されていない。本研究は,建築物の補修としてニーズが高い①ひび割れ補修,②剥落防止補修,③防水補修の3工法を対象として,補修効果の持続性を定量的に評価する技術を確立し,先導的なデータを蓄積する。ここで得られた成果は,広島市に現存する被爆RC造建築物,例えば「被服支廠倉庫」や「広島大学旧理学部1号館」にも活用できるように,自治体に情報発信をする予定である。
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研究成果の概要 |
本研究において,「①ひび割れ補修」に関しては,実験室レベルにおけるひび割れ挙動再現手法を確立し,ひび割れ注入工法とアクリル塗膜による壁面全面被覆工法の補修効果持続性を比較できた。「②剥落防止補修」に関しては,打診検査による評価手法の高度化に取り組み,一定の成果を得た。また,常時モニタリング手法として,光ファイバ(FBG)を用いた剥離判定手法の提案を行った。「③防水補修」に関しては,アクリル系塗膜防水材を活用した外壁防水補修技術に取り組むとともに,被服支廠倉庫の調査では,防水補修工法の工事品質を高めるための漏水起点の検知技術の開発に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は「各種補修工法の補修効果の持続性に関する評価方法の提案と実験データ蓄積,および実建築物で補修効果を計測する技術の提案と検証」という明確な目的を設定して検討を行った。この目的を達成するための学術的創造性の一つが,補修後の性能低下を評価して仕様選定にフィードバックする「診断基準」である。「①ひび割れ補修」に関しては透気性状,「②剥落防止補修」に関しては,一面せん断(面内接着)強度,更に被服支廠倉庫などの老朽化した建築物では常時微動で診断基準を提案し,各種実証実験を行った。 一方,本研究の意義として,広島市に現存する被爆RC造建築物「被服支廠倉庫」で実証実験を実施したことが挙げられる。
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