研究課題/領域番号 |
20H02308
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊本 英紀 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80708082)
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研究分担者 |
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90251470)
崔 元準 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (30817458)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 建築環境・設備 / 都市防災 / 流体工学 / シミュレーション工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、市街地(マイクロ)および都市(メソ)スケールにおける風況(風速・風向)に関して、スパース(疎)に配置されたセンサーによる計測データを入力値とした空間解像度およびリアルタイム性の高い推定システムの開発を行う。そのため、風況に関する計測および数値予測技術、ならびにそれらを束ねる観測理論・統計分析技術を統合的に開発・活用していく。そして、IoTなどによるセンサー情報の充実による可能性とともに計測システムとしてのその限界を見据えた技術開発を行い、安全・快適かつスマートな都市空間の創出に資する都市風況データ基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
安全・快適かつスマートな都市空間の創出に資するため、本研究は市街地(マイクロ)および都市(メソ)スケールにおける風況(風速・風向)を対象に、スパース(疎)に配置されたセンサーの計測データを入力値とする空間解像度およびリアルタイム性の高い分布推定手法の開発を行う。 市街地や都市の瞬時気流分布は、主にその乱流的特性によって複雑な様相を見せる。しかし、それら気流は一定の条件においては、流れの空間・時間的な相関性・周期性から有限の代表的なパターンを示す。そのため、センサーから得た有限な観測情報からこれらのパターンの強度を特定できれば、市街地・都市気流のリアルタイムな分布推定を実現できる可能性がある。このような特性を利用した分布推定手法として、固有直交分解(Proper Orthogonal Decomposition, POD)と線形確率推定(Linear Stochastic Estimation, LSE)を組み合わせた方法(以降、POD-LSE)がある。そこで本研究では、まず市街地スケールのモデル空間を対象に、POD-LSEによる瞬時気流場の推定手法を開発した。また、そのセンサー入力値として複数時点の情報を用いることで推定精度を向上する手法などを開発した。また、同様の手法を用いた都市スケールにおける風況推定手法の開発へ向けた気候データの解析や必要データの抽出などを行った。さらに、センサーの計測精度やそれから得られる情報を最大化するため、風速センサーのデータ駆動型校正に基づく精度向上手法や、情報エントロピーに基づくセンサー配置の最適化手法などを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
推定手法の基本的なアルゴリズムの開発やプログラムの構築および有効性検証を概ね予定通り進めている。また、推定精度のさらなる向上に向けた手法の考案やその有効性検証についても検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは、特に市街地スケールにおける風況推定に関する検討を行い開発手法の有効性を明らかにしてきた。同対象に関してさらに推定精度を向上する手法開発を今後も継続していくが、それと同時にここまでに得られた知見を応用し、都市スケールにおける風況推定手法の開発とその有効性検証を進めていく。
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