研究課題/領域番号 |
20H02336
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
研究代表者 |
木内 望 国立研究開発法人建築研究所, その他部局等, 研究専門役 (80251346)
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研究分担者 |
中野 卓 国立研究開発法人建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 研究員 (30837472)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 浸水対策 / 建築・土地利用 / 規制・誘導策 / 費用対効果 / 浸水リスク / 耐水建築 / 水害対策 |
研究開始時の研究の概要 |
都市における多様な建築物(集合住宅や事業所)についての、敷地・建築レベルの水害対 策の計画案(耐水化計画案)を検討し、その追加的費用及び、想定される浸水態様に応じた減災対策効果を分析して、それらが、優れた被害軽減効果を発揮する地域を明らかにした上でその規制誘導による実現への道筋を提示することを通じて、水害リスクを踏まえた望ましい土地利用・建築計画のあり方を研究する。 都市計画・建築分野での取り組みの前提とする水害について、資産被害や必要機能の停止等の低減を前面に据えて、ハザードマップが想定する浸水事象よりも、高頻度・低浸水深のものを対象とすることで、対応が進むのではという点に問題意識がある。
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研究実績の概要 |
都市部のRC造建物1階に入居する事業所を想定した上で、その浸水対策とその費用対効果のモデルスタディを実施した。1階に入居する事業所モデルの業種としては、内装や設備の初期費用の少ない業種から内装や設備、什器備品等の初期費用の高い業種まであることを考慮し、事務所(不動産屋)、物販店(食品雑貨等の小売店)、飲食店(レストラン)、小規模診療所(歯科医院)の4種を想定した。 その上で、市街地で想定される浸水ハザードに応じた対策レベルの設定、各業種の近年の浸水被害・復旧事例と浸水対策の状況についてのヒアリング、対策レベルに応じた仕様の設定などを行った。これらを踏まえて、各事業所モデルについて具体的な計画案の検討と試設計等を行い、検討・試作成した浸水対策案及びその実現コストを踏まえて、水害時の被害軽減額等を試算し、浸水対策の費用対効果等の分析を行った。 その結果、対策が有効な場合があること、効果が業種(特に高価な什器・設備が出入口から離れたエリアに集中する場合)、浸水リスクの程度により異なること等が確認できた。止水板への漂流物の衝突の影響と比べて、設置の確実性の方が重要であることも判明した。 また、水害リスクを踏まえた望ましい土地利用・建築の誘導事例の調査について、国内での2019年台風19号による被害を踏まえた取り組みや、雨水浸透・貯留等の内水対策の取り組みなどについて、情報の収集・整理とヒアリングを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍による緊急事態宣言・水際対策等により、引き続き国内外での現地調査・ヒアリングの実施に多大な影響を受けることとなり、特に海外事例調査については他の検討を優先することとなった。それでも、研究期間中に発生した主要な水害については、現地視察を実施し、オンライン等によりいくつかの事例についてヒアリングを含む調査を実施して、結果を整理できた。
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今後の研究の推進方策 |
建築・敷地レベルでの浸水対策について、これまで検討してきた戸建て・新築、分譲マンション・改修、事業所・インフィルの対策について、比較検討を行う。地区により態様の異なる浸水リスクに対して、対策の適用性の広がりを確認する。また、自治体等での誘導策の調査や、可能ならば海外調査も行い、合わせて全体をとりまとめる。
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