研究課題/領域番号 |
20H02406
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
田邉 匡生 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (10333840)
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研究分担者 |
西脇 智哉 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60400529)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | テラヘルツ / 防災・減災 / ガスセンシング / 分光センシング / ガス / 建築木材 / 毒性・可燃性ガス / 防災 / 高速・高感度センシング / 災害モニタリング / 火災 / ガス検知 / リモートセンシング / リモートセンサ |
研究開始時の研究の概要 |
火災時の有毒ガス検知器として現在「検知管式ガス測定器」を用いられている。1本の検知管が測定できるガスは1種類であり、新たなガスセンサとして、複数種類の有毒ガスを識別でき、かつ火炎や煙に近づかなくとも、遠隔で検出できる有毒ガス検知器の開発が待望されている。テラヘルツ分光測定法は、火災時に発生する一酸化炭素やシアン化水素等の毒性・可燃性の高いガスや引火性液体を測定するのに優位である。そこで、本研究はテラヘルツ分光により、火災時の迅速な救出・救助、消火に必要である有害ガスと引火性液体の識別・検出できる新たなセンシングシステムを開発する。
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研究実績の概要 |
初年度に構築した火災模擬チャンバーにはガス導入ができるバルブがあり、各種テラヘルツ光源と検出器が適用できる分光測定系と組み合わさっている。本年度はその測定系を活用して、人体に有害である一酸化炭素ならびに二酸化炭素のテラヘルツスペクトルを測定した。テラヘルツ周波数としては5-13 THz、16-17 THz、19-20 THzでの測定を実施し、純度99.9 %の二酸化炭素に対して20 THz付近に特徴的な5つの吸収ピークを検出した。さらに、建築材料として、おがくず(スギ、無垢材)のほか、断熱材2種類(いずれもスチレン系)、布(ウエス、綿+化繊)、型枠用合板(接着剤を含む)を燃焼させ、発生したガスに特有のテラヘルツスペクトルを測定した。参照に型枠用合板の接着剤単体についても測定した。採取したガスを導入したチャンバーは内壁が曇っており、木材中の水分を確認できた。測定したガスは火災を模擬する建築構造物から研究分担者の西脇智哉准教授(東北大学)とともに検討したものであり。テラヘルツ波の特性である直進性と透過性により、火災時に発生する埃などで散乱せずに対象とするガスのスペクトルが取得でき、火災現場でも高精度かつ迅速にガス検知を行うことで危険ガスによる事故を未然に防ぐことが可能である。液体については付着する容器包装表面の凹凸形状と深度に影響を受けることが分かり、テラヘルツスペクトル測定における注意が必要であることが分かった。さらにスギのほか、ケヤキとクリの木材について、含水率とテラヘルツ波の透過率には負の相関性があることを確認した。針葉樹と広葉樹では針葉樹の方が透過率は大きく、また比重が大きいほど透過率が小さい傾向があるがクリのような例外の木材も存在する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
火災模擬チャンバーをテラヘルツ分光測定系と組み合わせることができており、スモークも含むガスを導入できるものになっている。その測定系を活用して、有害ガスだけでなく可燃性液体のテラヘルツ吸収スペクトルが測定でき、本研究の遂行には問題ない。さらに、ガスと液体の共存状態という実際の環境に近い雰囲気のテラヘルツスペクトルについての測定も実施している。スペクトルは火災模擬チャンバーでの多重反射透過法により4 mの光路長における任意のガス分圧で測定可能であり、検出感度についても研究の遂行に問題ない。
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今後の研究の推進方策 |
測定対象とするガスは火災を模擬する建築構造物は断熱材や合板だけでなく、現場を意識したものを採用して測定する。燃焼ガスならびに煙に適するサンプリング系を採用し、各種建築仕上材から発生する毒性・可燃性の高いガス、ならびに可燃性液体、さらに液体を保持している建材の壁材表面やウールをはじめとする衣類を測定対象に拡大する。最終年度の総括として、火災時の迅速な救出・救助、消火に必要である有害ガスと液体の識別・検出が高速・高感度にできるセンシングシステムとしての動作実証をめざす。
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