研究課題/領域番号 |
20H02512
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西迫 貴志 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (10431983)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | マイクロプロセス |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロ流路の分岐構造を用いた液滴生成(乳化)法は,様々な新奇機能性材料を研究室にて創出してきた.しかし単一流路の極めて低い生産性と,既存の集積化マイクロ流路の複雑さ・取扱い辛さのため,本手法は生産技術として幅広く利用されるには到っていない. そこで本研究では,研究代表者が近年考案した,マイクロ流路アレイとスリット状流路の組合せによる,クロススリット型マイクロ乳化技術の基盤研究を実施する.3次元流体解析,微細加工,液滴・粒子生成試験,を連携して実施することで,上記クロススリット構造における液滴生成機構を解明し,本プロセスを単分散液滴および粒子の生産技術として展開するための研究基盤を確立する.
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研究実績の概要 |
2022年度は以下を実施した. A. 流体解析: 前年度に引き続き,マイクロ流路と貫通スリットが交差する三次元構造およびその近傍の表面濡れ性がどのように液滴生成挙動に影響を及ぼしているのかをより理解するため,ANSYS-Fluentを用いて単一流路および並列流路構造のモデルにおいてさらなる検討を進めた.その結果,液滴生成部の3次元形状の違い,平行スリット型の両端部形状,および分散相,連続相の入力方法が液滴生成に与える影響について,実験データと程よく一致する解析結果が得られた. B. デバイス作製:マスクレス露光装置を用いたソフトリソグラフィにより,PDMS流路の微小化(最小幅~10um)に取り組んだ.一方,ガラス流路の並列本数の増加(>16本)のため,最小径100umの軸付砥石を複数用いる機械加工による合成石英基板への溝加工に取り組んだ.また,多相液滴や機能性粒子の生成用に最小幅100umのスリットを4つ有するステンレス製のスリット部品をワイヤ放電加工を用いて作製した. C. 液滴・粒子生成試験:上記手法により作製したデバイスを用いた各種液滴生成試験を行った.一例として,4スリットを有するスリットデバイスに,16-128本のマイクロ流路が並列化されたPDMSチップを貼り合わせてデバイスを形成した.このデバイスに,第1分散相としてアクリルモノマー,第2分散相としてシリコーンオイル,連続相としてPVA水溶液を導入することにより,先ずアクリルモノマーとシリコーンオイルの二相並行流がアクリルモノマーが流れるマイクロ流路と第2分散相供給スリットの交差部にて形成された.さらに,その二相並行流が連続相供給スリットと交差する箇所にて,サイズの揃った二相液滴が並列流路で連続生成される様子を確認した.またシリコーンオイルに添加する界面活性剤の濃度調整により,サイズの揃った二相ヤヌス液滴あるいは二相コアシェル滴が本デバイスで生成できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に大きな問題は生じず,おおむね順調に進展させることができた.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に沿って進めていく.
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