研究課題/領域番号 |
20H02534
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
浅野 竜太郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80323103)
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研究分担者 |
稲田 全規 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80401454)
安永 正浩 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 分野長 (80450576)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 二重特異性抗体 / プロドラッグ / プロテアーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞と免疫細胞間の強制的な架橋により強力な抗腫瘍効果を発揮する二重特異性抗体は、次世代型の人工抗体医薬として期待されている。しかし、これまでに高分子量型と低分子量型の二重特異性抗体が一つずつ認可されているが、いずれも一長一短がある。また、がん特異的な抗原は見出されていないため、免疫細胞による正常組織の障害が共通の問題となっている。本研究では、これらを解消するために、がん特異的プロテアーゼの認識配列を二重特異性抗体に巧みに組み込むことで、高分子量型と低分子量型の両長所のみを併せ持ち、かつ免疫細胞に対して低親和性型から高親和性型に腫瘍送達後に構造変換するプロドラッグ化デザインの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
がん組織送達後に機能が向上するような二重特異性抗体のプロドラッグ化デザインの開発を行った。がん特異的なプロテアーゼの認識配列を介して、二重特異性抗体にアミノ酸ポリマー配列の融合を行った結果、アミノ酸ポリマーの重合度の増加に伴う、結合阻害効果の増強と、このことが寄与したと考えられるがん細胞傷害活性のより強い阻害も認められた。一方、プロテアーゼ消化により、このアミノ酸ポリマーを除去した結果、結合能と細胞傷害活性共に回復することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
二重特異性抗体をはじめ次世代抗体は強い薬効が期待される一方で副作用も懸念されている。がん組織送達後に結合能が向上するような二重特異性抗体をデザインするために結合阻害配列の検討を行った結果、アミノ酸ポリマー配列を用いることが、汎用的、かつ重合度に応じて結合阻害度を制御できることが明らかになった。一方、このアミノ酸ポリマーを除去することで結合活性の完全な回復が確認されたため、今後次世代抗体の副作用の低減に向けた汎用的な技術となることが期待される。
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