研究課題/領域番号 |
20H02546
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
篠原 健一 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (10292244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | ポリマー / 1分子 / AFM / 高速AFM / 分子マシン / 分子モーター / キラル高分子 / 機能性高分子 / ナノマシン / 1分子イメージング / 人工生命機能 / キラルらせん / バイアスブラウン運動 / 高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
高分子鎖の直接観測は、高分子の構造と機能に関する理解を深化させる。本研究では、高分子鎖の相互作用を直接観測し、ポリマー分子間コミュニケーションの理解を目指す。
すなわち、高速AFMによるムービー撮影によって高分子間相互作用ダイナミクスを直接観測し解析する。合わせて、実験系の全原子分子動力学(MD)法によるin silico観察を行い原子レベルで理解を深める。
具体的には、アニオン性ポリマーやカチオン性ポリマー、温度応答性ポリマー、らせんポリマーなどの特徴ある構造と物性を有する高分子鎖の間に働く静電相互作用、ファンデルワールス相互作用や水素結合などの相互作用ダイナミクスを解明する。
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研究成果の概要 |
アニオン性ポリマー鎖とカチオン性ポリマー鎖には、静電相互作用による引力が働くと考えられるが、それでは、水中室温の条件下で、基板上でゆらぐ両ポリマー鎖一本一本は、互いにどの位の距離から引力を感じ、そして結合するだろうか?先ず、これを高速AFMイメージングによって直接観測して明らかにした。アニオン性ポリマーにはPAMPSおよびPAMPSナトリウム塩を用い、一方、カチオン性ポリマーにはポリアリルアミン(PAA)およびPAA塩酸塩を採用した。PAMPSのスルホン酸基とPAAのアミド基との間のダイナミクスを解明した結果、PAMPS長鎖一本の末端部にPAA短鎖1分子が結合した複合体が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子間相互作用には、ファンデルワールス相互作用、静電相互作用、水素結合による相互作用、水中における疎水性相互作用などがある。本研究では、これらの相互作用がポリマーの分子内(鎖中)および分子間(鎖間)でどう働き、どのような構造とダイナミクスが観測されるかを明らかにした。 その結果、ポリマー鎖一本同士の相互作用が高速AFMで直接確認された。これは、分子マシンの創製に必須の知見であり、将来実現されるであろう分子モーターに繋がる成果である。
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