研究課題/領域番号 |
20H02550
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
坪井 泰之 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (00283698)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | プラズモン / ブラックシリコン / ブラックチタン / 光ピンセット / ナノ構造 / ミー共鳴 / 蛍光顕微鏡 / フォトニッククリスタル / 光圧 / ナノ粒子 / 油水界面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、新型高性能光ピンセットを開発する。そして,以下の問題を明らかにする。 ①何故、バルク液体中で捕捉出来ないナノ物質が界面において安定に光捕捉できるのか? ②何故、プラズモンが発生しない固体系でも、その表面にマイクロ/ナノ構造を付与すると、捕捉挙動が劇的に変化するのか? ③液/液界面とバルク液体中で、ナノ物質にとって何が本質的に異なるのか? ④これらは、物質科学にどのような貢献が実際に可能か? ⑤シングルナノメートルナノ粒子をマニピュレーションできるのか?
本申請では、私たちはこれらの問いに対する答えを追求する
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研究成果の概要 |
(1)インコヒーレント光マニピュレータの開発: 金属チタンのナノ構造を利用し、レーザーではなく、水銀ランプの光で、それも従来よりも100万分の一弱い光強度で、20 nm サイズのナノ粒子の捕捉に成功した(固液界面の利用)。(2) 油水界面光マニピュレーション法の確立: 通常では光捕捉できないような小さな100 nm 以下のナノ粒子を、油水界面において安定に光捕捉し、そこで光触媒反応を誘起し、実時間計測することに成功した。(3)光マニピュレータによる量子状態制御: ブラックシリコンにより、蛍光性ポリマーを捕捉し、蛍光の色をレーザー光の強度だけで完全リモートかつ可逆的に自在に制御できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞やバクテリア、DNAなどの小さな物体をレーザー光で自在に操る(=空間操作)する技術を光ピンセットと呼ぶ。既に、ノーベル賞が二度授与された極めて重要な技術である。光ピンセットはそのような小さな物体を捕捉できるが、物体のサイズが100 nm よりも小さくなると、捕捉は難しくなる。このような小さなサイズの物体や、分子(サイズは数 nm 以下)まで安定に捕捉ために、固液界面や油水界面の利用を着想した(学術的意義)。本研究で開発した光ピンセットは簡単に安定にナノ物質を捕捉できるので、今までできなかった化学分析や分子マシンの組み立て、新しい医療診断方法の開発に応用できる点で、社会的な意義もある。
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