研究課題/領域番号 |
20H02600
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東北大学 (2021-2023) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
水上 雄太 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80734095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | キタエフ模型 / 量子スピン液体 / マヨラナ粒子 / 非可換エニオン / チャーン数 / トポロジカル転移 / 比熱測定 / 磁場角度回転 / トポロジカル相 / マヨラナフェルミオン / 微小単結晶 / トポロジカル相転移 / マヨラナ励起 / フラストレーション / 長時間緩和法 / 比熱 / 磁場角度回転比熱 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、複数のキタエフ量子スピン液体候補物質に対して磁場中の精密比熱測定を行い、その温度依存性から準粒子の励起を調べる。とりわけトポロジカル相を規定する励起ギャップの磁場角度依存性を明らかにする。これにより励起が変化すると期待されるトポロジカル相転移を検出し、現実の物質における詳細な相図を構築することでキタエフ量子スピン液体やその準粒子励起に対する理解を飛躍的に向上させる。
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研究成果の概要 |
本研究では磁場角度回転環境下で比熱測定を行うことで、キタエフスピン液体のバルク状態の磁場角度に対する励起の変化を調べた。特に単一の単結晶における磁場角度依存性を検出するため、高感度な磁場角度回転比熱測定系を構築し測定を行った。その結果、キタエフスピン液体候補物質alpha-RuCl3において磁場がa軸方向では励起ギャップが開く一方、b軸方向ではディラック型の分散を反映したギャップレスな励起が生ずることが明らかとなった。これは、キタエフ模型において予測されるマヨラナ粒子の励起ギャップと一致しており、キタエフスピン液体におけるエッジ状態に対するバルク状態を実験的に明らかにしたと言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で対象としたキタエフ模型は、キタエフにより提案された量子スピン模型であり、この模型で期待されるマヨラナ粒子や非可換エニオンは、基礎学理として重要のみならず、トポロジカル量子計算への応用も期待されている。本研究により、キタエフ量子スピン液体状態のバルク状態が明らかとなったことにより、現実の物質においてマヨラナ粒子や非可換エニオンの性質に対する理解が大きく進んだと言える。本研究は、量子計算への応用に向けた学理の構築に寄与することが期待される。
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