研究課題/領域番号 |
20H02605
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮内 雄平 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (10451791)
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研究分担者 |
宮田 耕充 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (80547555)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | ワイル半金属 / 赤外光電流 / 赤外光起電力 / 量子物質 / 赤外光電変換 / 赤外 / ワイル / 光電変換 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、従来の半導体pn接合では原理的に難しかった室温で高効率動作が可能な革新的赤外光電変換素子の実現を目指す。具体的には、赤外光領域において室温での巨大なバルク光起電力効果の発現が予想されているカルコゲナイド系層状ワイル(Weyl)半金属の赤外光学応答を明らかにし、非従来型の高効率赤外光電変換学理と最適な試料・素子構造を見出す。
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研究成果の概要 |
ワイル半金属①TaIrTe4と②Co3Sn2S2の結晶を合成した。①については、光電流計測デバイスを作製し、波長4μmの光照射下で光電流の偏光分解空間マッピング、および照射光周波数依存性の測定を行った。その結果、光電流の起源として物質内部の光熱電効果と、トポロジカル効果に由来すると解釈可能な表面近傍での非線形光学応答の寄与を分離して捉えられることが明らかとなった。②については、偏光分解ラマン散乱測定によりフォノンモードを同定し電子ラマン散乱の寄与によるFano効果の存在を明らかにした。またWTe等原子細線の大面積合成とワイル半金属WTe2等のリボン状大面積ネットワークへの転換技術を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TaIrTe4における赤外光電流の起源を切り分けて捉えられることを示した成果は、非従来型赤外光電変換機構の解明に向けた重要な手がかりを与えるものである。単結晶Co3Sn2S2のラマン散乱スペクトル構造とその起源を明らかにした成果は、結晶の簡易構造同定や、フェルミエネルギー近傍の低エネルギー電子状態プローブとしてのラマン分光の可能性を示したもので、今後赤外光応答を含む各種物性研究の発展に寄与すると期待される。また、本研究で開発したWTe等原子細線の大面積合成と、そのWTe2等のリボン状大面積ネットワークへの転換技術は、今後のカルコゲナイド系試料を利用した大面積素子作製の基盤となる成果である。
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