研究課題/領域番号 |
20H02681
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 日本大学 (2022) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
飯田 和昌 日本大学, 生産工学部, 教授 (90749384)
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研究分担者 |
畑野 敬史 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00590069)
生田 博志 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30231129)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 鉄系超伝導 / トポタクティック反応 / 水素 / 臨界電流 / 水素置換 / NdFeAs(O,H) / 異方性 / 水素ドーピング / 鉄系超伝導薄膜 / 臨界電流特性 / 粒界 |
研究開始時の研究の概要 |
昨今のヘリウム危機により,無冷媒かつ強磁場下で運用可能な超伝導線材の開発が強く求められている.さらに希少金属の使用量低減の要請により,希少金属元素の含有量が少ない超伝導線材が好ましい.これらの社会的ニーズに対し,第2の高温超伝導体である鉄系超伝導体を用いた線材の実用化が急務である.しかし,作製された線材の臨界電流は実用化レベルまであと一桁ほど向上させる必要がある.超伝導線材の特性向上を目指すのであれば,対象物質の詳細な粒界特性の理解が必要不可欠である.本研究では鉄系超伝導体の様々な人工単一粒界を作製し,輸送特性・微細構造組織を詳細に評価することで傾角粒界における臨界電流抑制因子の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,酸素サイトの一部を水素で置き換えた高温鉄系超伝導体NdFeAs(O,H)のエピタキシャル薄膜作製と物性評価を行なった.その結果,NdFeAs(O,H)は酸素サイトをフッ素で置き換えたNdFeAs(O,F)に比べて高い超伝導特性を有していることが明らかとなった.しかし,外部磁場に対する臨界電流密度Jcの減衰が大きいので,何らかの方法で磁場中特性を向上させる必要がある.また粒界傾角が6度で既に粒界Jcが減衰をはじめているものの,絶対値は6.2 MA/cm2と鉄系超伝導体の中では1桁以上大きい.したがって,NdFeAs(O,H)は鉄系超伝導材料の中でも応用に適している材料と結論できる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄系超伝導体の中でも最も転移温度の高いLnFeAs(O,H) (Ln: ランタノイド元素)の物性を明らかにすることは,これまで大きな単結晶が作製されなかったため遅れていた.そのような中,NdFeAs(O,H)エピタキシャル薄膜を作製し,物性を明らかにしたことは学術的に意義は大きい.さらに応用研究で重要となる臨界電流特性などの評価を行なったことは工学的にも意義があると言える.
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