研究課題/領域番号 |
20H02717
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
清水 智子 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (00462672)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡 / フォトクロミック分子 / 単分子反応 / 自己組織化 / ジアリールエテン分子 / 分子クラスター / 走査型プローブ顕微鏡 / 光反応 / プラズモン効果 / 光異性化反応 |
研究開始時の研究の概要 |
1つの分子を1ビットとした有機メモリデバイスの実現のため、高いプラズモン効果を有する金属基板にフォトクロミック分子の一種であるジアリールエテンを規則正しく配列させ、個々の分子の光異性化反応を制御できるか検証する。ジアリールエテンは2つの異性体の熱安定性が高く室温動作が見込まれる。加えて、一部の金属基板上では均一単分子膜の形成が可能であることが示されている。本研究では、走査型プローブ顕微鏡のプローブ探針と金属基板が作り出すナノギャップに分子を位置させることでプラズモン効果により反応効率を高めオン-オフ制御を実現し、プローブ顕微鏡の種々の分光により2つの異性体の状態判別法を確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、照射する光の波長によって2状態を行き来するフォトクロミック分子の一種であるジアリールエテンに対し、単分子スイッチングの実現可能性を検証することを目的とした。走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて、銅および銀の表面に吸着したジアリールエテン分子に電子を注入する、光を照射するなどの方法を試した。分子が単分子膜やクラスターなどの集合構造を作った場合は異性化反応が阻害される場合があること、周囲に分子がなく孤立した状態であっても一部が解離する反応がスイッチングに競合すること等が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、有機分子1個を1ビットとした有機メモリの実現に不可欠な要素技術の検証という意義があった。密に規則正しく分子を並べることは大容量の観点で重要であるが、同時に分子同士の相互作用がスイッチング現象に影響を及ぼすことが明らかとなった。電極金属との相互作用も重要なファクターである。このような詳細は、近未来のデバイス創成における基礎情報として重要であると同時に、表面化学分野における興味深い現象を発見したという意味でも重要である。
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