研究課題/領域番号 |
20H02735
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
波多野 学 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (20362270)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 有機合成化学 / 不斉触媒反応 / マルチ選択性 / 酸・塩基複合化学 / 超分子触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
酵素の発現する触媒機能は多彩であり、酵素反応は生体が作り得た最高の分子制御テクノロジーである。酵素のようなマルチ選択性を分子触媒レベルで発現するには、従来の単一分子触媒の限界を越えねばならない。本研究では、酸・塩基複合化学に基づいて鍵小分子パーツを分子設計し、酸・塩基のフレキシブルな親和的相互作用を駆動源として小分子パーツから超分子触媒を創出する。酵素の鍵穴と触媒活性点に相当するナノサイズのキャビティーを系中で作り、分子包接効果で高い反応効率を創出する。従来の合成困難を可能にするテーラーメイド型の機能性分子触媒の創製とそれらを用いたマルチ選択的な反応制御を研究目的とする。
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研究成果の概要 |
多彩な生体酵素の織りなす反応は、最高の分子制御テクノロジーの一つである。精密有機合成において、人工の分子性触媒が酵素に迫るマルチ選択性を発現するには、従来の画一的な触媒では限界がある。本研究では、酸・塩基複合化学に基づいて、鍵となる触媒の小分子パーツを精密分子設計し、酸・塩基の親和的相互作用を駆動源としてこれらの分子をフレキシブルにつなぎ、新しいキラル超分子触媒を創出した。酵素の鍵穴と触媒活性点に相当するキラルキャビティーをつくりだし、分子包接効果を発現させることにより、従来の触媒では制御できなかった特異な分子骨格形成反応やマルチ選択的反応が実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノスケールの触媒を効率的に創製するための有力な手段となる酸・塩基複合化学は、酸と塩基の融合領域を開拓するものであり、酸または塩基単一では成し得ない優れた特長が現れる。これを土台として、特に本研究では、合成化学・触媒化学・超分子化学を横断する酸・塩基複合化学に立脚した独創的なナノスケールの触媒設計を行い、従来の単一分子触媒では制御が困難なマルチ選択的触媒反応を実現した。これは、次世代の有機合成化学が目指す技術革新の一歩として意義付けられ、将来の有機合成化学が本格的に到達するであろう酵素機能に迫る機能を持った精密人工触媒の礎を築くものである。
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